ハノイ便


 ベトナムには何度か行っているが、サイゴンを中心とした南部、フエやホイアンなどの中部しか行っていない。
いつかハノイを中心とした北部に行ってみたいと思っていた。
過去にも何度かハノイ行きを組み立てたことがあるが、日本からの直行便がないため滞在時間が短いやフライトが合わなどの理由で見送ったのである。
そんな中、昨年、ANAが羽田-ハノイの直行便を就航させた。
往路は朝、羽田を出て昼にはハノイ着、復路はハノイを午後に出て、夜、羽田着という使い勝手の良いフライトである。
問題は、関東在住者は当日、羽田に行き搭乗、帰国したらその日のうちに自宅に帰れるが、大阪からだと往路は関空周辺で前泊、復路は羽田周辺での宿泊が必要となる。
往復とも関空発着であれば車で行き、駐車場に止めておけば済むことなのだが、復路は伊丹着なのでその手も使えない。
結局、2015年のGWのベトナム行き、ベトナム滞在だけなら4泊5日だが、前後泊を含めて6泊7日という旅程となってしまった。

ハノイへはANA以外ではJALが成田から直行便を出しているが、それ以外は台北、香港、シンガポール、バンコクなどの都市からの乗り継ぎとなるため、結構、時間がかかるのである。
それと、このフライト、GWでも5万円代ととても安いのである。
GWの東南アジアへのフライトは7万~10万円が相場なので、このフライトは格安である。
その理由は、後ほど知ることとなる。

4月30日、仕事を終え自宅で着替えて関空へ。
22時にりんくうタウンの関西エアポートワシントンホテルにチェックイン。
翌日、5時40分のホテルのバスで関空へ。



関空連絡橋から見た日の出

こういう関空へのアプローチは初めてだ。
6時30分の羽田行きフライトに搭乗。

羽田着は7時45分。ハノイ便の出発時刻は8時55分。
いくら羽田の国内線と国際線の接続が良いとはいえ、ターミナル間の移動や出国審査の時間を考えると1時間15分というのは短い。
それにこのフライトはANAのコードだが実質はスターフライヤーの運行である。
スターフライヤーはボーディングブリッジを使わず、沖止めのはずなのでバスでの移動がある。
でもANAが正規に発行したチケットであるから、それなりの対応をするだろうと思っていた。
余談だが、スターフライヤーの離陸前の安全案内ビデオは秀逸だった。
TDLとTDCを右下に見ながら羽田へ着陸。


案の定沖止め、飛行機が止まり扉が開いたのは7時50分。
その時、「この先ハノイ便に乗り継がれる方は、下の係員に申し出てください」とのアナウンスが。
タラップを降りて「ハノイ便乗り継ぎです」と申し出ると、別のバスに案内され「もう一人いらっしゃいますのでお待ちください」と、もう一人もきて、私たち2人だけを乗せて別ルートを走る。運転手は、国際線に接続バスとの連絡が、どのゲートが一番近いかをやりとりしている。地上係員も私たちに張り付いている。

そして国際線バスと連絡し国際線の出国審査場に着いたのは8時10分、幸い出国審査は空いていたため、ほぼ待たずに審査を完了。そしてハノイ便の搭乗ゲートに着いたのは8時25分、搭乗開始時刻である。
間に合うようにはなっているのだろうけど、毎日、これをやっているのですが。
手荷物検査や出国審査が空いていたからこの時間に着いたが、ちょっと混雑していたらほんとギリギリになりそうである。
地上係員の皆さん、ご苦労さまです。

フライト機材は787。
CAのジャンプシートの前のため、脚を伸ばせる。
8時55分、定刻に離陸。

5時間のフライトで12時15分ハノイ着。
入国審査に20分程かかったが、荷物をピックアップ、短時間の乗り継ぎにもかかわらず、機内預け荷物もちゃんとハノイ便に積まれていた。(当然だが)
両替とスムーズに行き、ミニバス(乗り合いタクシー)で市内へ。
市内までは約30km、所用時間は渋滞がなければ40分程度である。

車内で、『地球の歩き方』でホテルの場所を確認していると、隣に座っていた男性が「市内にお泊まりですか?」と日本語で尋ねてきた。
「はい、あなたは」
「実は私はマイルの無料特典で目的地はバンコクなんです。そのフライトが21時なのでハノイ市内を見て回ろうと。帰りは北京経由で、それも長時間のトランジットなので北京市内を見て回ろうと思っています。」
「つまり、東京-バンコクの無料特典航空券で、スターアライアンスで手配したら、こんな長時間トランジットばかりのチケットになったということですか?」
「そうなんです。」
「それでもGWによく取れましたよね。」
GWのANA便を含んでよく取れたものである。
でも、今日も空席があったし、羽田-ハノイ便は今一つ人気が無いのだろうか。先に書いたチケット代が安いのもそのためなのかもしれない。
彼は途中の市場で降りていった。

他の客が降り、私が最後の客でホテルの前まで車をつけてもらった。
40,000ドン(220円)のはずが100,000ドン(550円)だった。
何故だと言うと「ホテルの前まで送ったから」などと言う。
ボラれたのだけど、運転手の兄ちゃんと助手の彼女であろう女性は親切で、荷物をホテル内に運んでくれたりしたので良しとしておこう。



緑の首都

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