ダマスカスの酒


ダマスカス、ガラージュ・ハラスター(バスターミナル)に到着。































これで長距離バス移動は終了。
8月16日 アンマン → アカバ 約300km
8月17日 アカバ  → アンマン 約300km
8月18日 アンマン − ペトラ 往復 約400km
8月19日 アンマン → ダマスカス 約200km
8月20日 ダマスカス → パルミラ 約200km
8月21日 パルミラ → ダマスカス 約200km
毎日毎日よく乗ったものだ。

























バスを降りるといつものようにタクシーの運転手が集まってくる。
一台の車に乗ると「メーターじゃない」と言われたが、まぁ良いさ。
SHTORAのカードを出して「このホテルに行ってくれ。」
運転手は「他にグッドホテルがある。ここは良くない。」と言ったが、「私はこのホテルに荷物を預けて予約をしている。」というと黙って走り出した。







フロントに行くとオヤジが一言。
「今日はトリプルの部屋しか空いていない、1泊3,500SPだ。」一昨日のシングルの2倍以上の値段を当たり前のように言ってくる。
「ちょっと待ってくれ、今日戻ってくると言ったじゃないか。」
「この部屋しか空いていない。」
「3泊するからディスカウントしてくれ。」
「明日以降はシングルに移れる。今日だけだ。」
「じゃ、シングルと同じ値段にしてくれ。」
「ダメだ3,500SP。」
「コノヤロー、このアラブ商人が・・・こちとら大阪人だ。」と交渉。
でも相手が一枚上、それでも何とか1000SPディスカウントまでこぎつけた。
キッチンまでついている広い部屋だ。






これから帰国までは移動はしない予定。
バスに乗るのも飽きたし。













もう15時を回っている。
移動とホテルのオヤジとの交渉で時間を食ってしまった。







マルジェ広場に向かった。









































両替をして、広場をウロウロしていたら酒屋を見つけた。













ひっきりなしに客が酒を買いにきている。
ビールもエジプト産やオランダ産など種類はそろっている。
オヤジに値段を聞くと1本50SP=125円。
それも500mlも333mlも同じ値段である。
なぜかシリア産のビールだけが無い。












パルミラで見たヨルダン産ビール「ペトラ」も売っていたのでオランダ産(ライセンス)「アムステル」と一緒に買った。
宿に冷蔵庫があるので買いだめができる。







店のオヤジを撮ってあげたら何故か酒を買いにきていた客まで一緒に撮影することになってしまった。
デジタルで撮っていて面白いは撮影したあと、モニターでその場で写真を見せてあげるととても喜ぶ。
ポラロイドと違って、その場で渡してあげることはできないがモニターに映った自分を見て納得するのかな。

そのペトラビールだがペトラ遺跡をデザインした缶で表記を見るとアルコール度数10%となっている。
「10%?」
通常ビールは5%前後なので10%というのはワインの11〜13%に近い数値である。
ベルギービールで11%というのを飲んだことがあるが、これはビールというよりワインのような飲み方をするビールであった。
店内を見ると他にも「10%」という銘柄がある。
夜、部屋でペトラビールを飲んだ。



コップに注ぐと見た目は普通のピルスナービールである。
一口飲んだ。
「まずい!」
なんだこの味は。
舌にアルコールの味が残る。
おそらく通常のビールにアルコールを添加して10%に調整しているのだろう。
だから味のバランスが崩れてしまってアルコールの後味ばかり残ることになる。
他の「10%」銘柄も同様の製法だろう。







なぜ、こんなビールを作っているのかペトラを飲みながら推理してみた。
一人旅の夜は暇である。
このエリアで作られている酒はビール、ワイン、アラック(ナツメヤシ原料の蒸留酒。)ぐらいか。
まず、イスラム教の国なので飲酒人口が少ない。
ヨルダンでもシリアでも酒屋は少ない。
日本や東南アジアのようにコンビニでもスーパーでもビールを売っているわけではない。その酒屋でもビールとワインと輸入したウィスキーなど種類はとても少ない。







酒は税率を高くしているので、特にアルコール度数の高い蒸留酒は気軽に買える値段ではない。
イスラム国家は総じてアルコールへの課税額が大きい、反対にタバコは安いようだ。
安くて手っ取り早く酔える酒が必要となってくる。

おそらく醸造酒であるビールにアルコールを添加しても10%までは税率は変わらないのであろう。
日本の発泡酒のようにビールの原材料を変えて安い税率のカテゴリーの酒を造るのと発想は同じなのだろうと、酔いに任せてシリアの10%ビールと日本の発泡酒を強引に結びつけてつけてしまうのであった。
おおっぴらに酒を飲める国では無いので比較的入手しやすいビールの酒精強化という手段をとったのであろう。
それにしても不味いビールだ。

もう一本買ってきた「アムステル」は普通に美味しいビールだった。

明日は旧市街へ。



旧市街のまっすぐな道 へ

表紙へ

海外旅行目次へ