ドーハ再び
アラビア半島、赤い砂漠の上空10,000m。
カタール航空400便は、あと20分でアンマンのクイーン・アリア空港に着陸予定である。
この夏、ヨルダン・シリアへ行くと言ったら、上司を含め何人もから「中東は危ないのでは。」「治安は大丈夫なのか?」と聞かれた。
「イラクやレバノンに行くわけではありません。ヨルダンもシリアも外務省の危険度で言うとLevel1です。これはタイのバンコクやバリ島と同じレベルです。」
イスラエル、レバノン、イラン、イラクと聞けば、中東は危ないというのが一般的な日本人のイメージ、そこでヨルダン、シリアは大丈夫だと言っても国の位置関係も政情もわからないので、全て「危険」となってしまう。
と言って強引に行ってしまうと後々やっかいなので丁寧に説明をしてOKを取り付けた。
関西空港深夜、カタール航空ドーハ行き。
ツアー客がとても多い。
持っているガイドブックを見ると、ギリシャ、エジプト、トルコ、イタリアなど、中東はあんまりいない様子。
満席で離陸。
ドーハ着が5時45分の予定が早着で5時。
そんな早く着いてどうするんだ。
アンマン便は13時搭乗開始予定。
トランジット8時間か・・・暇だ。
2年前と比べて、2006年のアジア大会を成功させたということもありドーハの空港は拡張され免税店やコーヒーショップも充実しているが、8時間も時間潰すにはちょっとしんどいなぁ。
ドーハは何も無いのはわかっているが、イミグレーションで100QR(約3,000円)を払って入国した。
2年前は55QRだったのが値上がりしている。
出口にあるコーヒーショップで1時間ほど時間を潰して外に出た。
6時過ぎ、すでに日は昇り、湿気を伴った暑さで一気に汗が噴出してきた。
カメラのレンズは全て曇ってしまった。
2年前は1泊したのでホテル探すためにタクシーに乗ったが、今回はそんな目的も無いし、行きたい場所というのも無い。
しかたがないので空港から街に向かって歩きだした。
どの国でも似たようなもので空港周辺というのは何も無い。
モスクの横を抜け、大通りへ。
片側4車線。
早朝にもかかわらず、かなりの通行量。
歩いている人なんて私だけ。
飛行機の中でよく寝たので目は覚めているが、まだ早朝。
砂が舞って見える風景は砂色である。
砂漠の国なんだな。
開いている店もない、そりゃ7時前だ。
コンビニなんてないし、それでも2時間ほどブラブラしてみた。
やっぱり、なぁ〜んにも無い。
汗かいただけ。
絵になりそうなシーンはなかった。
通勤時間になるとマイクロバスとかバンが道路わきに止まって、従業員(?)をピックアップしていく。
拾われる人も歩いている人もインド系ばっかり。
アラブ系は見ないなぁ。
車社会だなぁ。
空港に戻る途中で交通事故を見たぐらい。
カタール航空の機内で流れていたカタールのプロモーションビデオは高級ホテル、ショッピング、アラビア湾でのダイビング、砂漠を4駆で走るという内容。
隣のUAEのドバイと同じ人工的に作ったリゾートしか無い国である。
暑いし何も無いので空港に戻った。
わずか3時間ほど入国だった。
搭乗まで4時間。
持ってきた小説「聖書」の旧約編を読み始めた。
今回の行き先は聖書に出てくるほど古い土地である。
搭乗アナウンスが流れた。
アンマンまでは2時間のフライトである。
砂が舞う中、定刻どおり離陸した。
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