カディスの赤い星


朝8時、セビーリャ駅に向かう。







8時55分のカディス行きの切符が取れた。1本早い電車に乗りたかったのだが満席。
これから向かうカディスは大西洋に面したコスタ・デ・ラ・ルス(太陽海岸)の中心都市である。








「カディスの赤い星」(講談社文庫)という逢坂剛の小説をご存知だろうか。
カディスの赤い星というダイヤを埋め込んだフラメンコ・ギターをめぐって日本とスペインを舞台にした冒険小説である。
逢坂氏はこれで直木賞などを取り、一躍人気作家となったのである。
逢坂氏はスペイン内戦の研究者でもあり、スペインを舞台した小説を多く発表していて、私の好きな作家の一人です。
今回、その「カディスの赤い星」をカディスの街で再読しようとスペインに持ってきた。文庫版の奥付を見ると1989年8月15日第1版発行となっている。ちょうど20年前の刊行であり、大筋は覚えているが結末も漠然としか覚えていない。
上下巻併せて800ページの大作であり、20年ぶりの再読である。
で、グラナダで読み始めたら面白すぎて、カディスにつくまでに読みきってしまいそうだったので最後の100ページを残して我慢していた。
その舞台の一つカディスへ向かう。







8時55分の電車も満席。
理由は乗ってみてわかった。
みんなクーラーボックス、ビーチパラソルからチェアまで持ち込んでいる、それこそ太陽海岸でのバカンスのためである。
約2時間でカディスに到着。







想像していた以上に大きな街で、ちょっと驚いた。
海沿いの小さな街のイメージだっただけに、ちょっと驚いた。
駅の右手の港に豪華客船が停泊しているほどの規模の街である。



















ちょっと戸惑いながら旧市街に向かう。
多くの人がそちらに流れているので着いていくだけだが。



















旧市街に入ると道が狭くなりカテドラルの前の広場にはカフェも多くある。
カテドラルを見上げて、小説では主人公がこのカテドラルに閉じ込められて地下通路から海に脱出したのである。
白く輝くカテドラルからは、そんな雰囲気が感じられないな。












小説を読了するのは後回しにして、海岸へ向かった。



















途中、市場があり覗いてみた。
そうそう、こういう雰囲気の市場好きだな。
活気があって地元の人たちの買い物にまぎれて歩くのは、それはそれで楽しいものである。

















































カレータ・ビーチに行くのに地図はいらないビーチ・パラソルを持っている人達について行けばいいだけのこと。
約10分で到着。

























昨年、ヨルダンのアカバでは女性の水着姿はいっさい見ることができなかったが、ここは違う開放感にあふれたビーチである。が、しかし、水着のキレイなおねえさんはパラパラ、後はシェリー樽ようなオバサンと子供ばかりなり。



























































































スペインの女性は30歳を越えると太りママになってしまう人が多い。
そんなことを言って、オヤジ一人で海岸で撮影してるのも危ない姿だな。



















ほどほどで切り上げて昼食。
鰯の塩焼き。
レモンを絞ってとても美味しいのだが、残念なことにナイフとフォークでは上手く身が取れない。
箸なら骨と頭と尻尾を残してきれいに食べられるのに。













そしてカテドラルの前のカフェでビールを飲みながら「カディス赤い星」を読了。
結末が二転三転するのは覚えていたが最後の結末が記憶していたのと違っていたのが以外だった。













まだ午後の早い時間、一日カディスにいるつもりだったが読了したことで満足してしまったのと、セビーリャとカディスの間にあるヘレスの街に行ってみたくなった。

ここはシェリー酒の蒸留所があるところで、ガイドブックを見ると夕方からある見学ツアーに間に合いそうである。
次の目的地はヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、シェリー酒を一杯。



シェリー酒を一杯 へ

表紙へ

海外旅行目次へ