承前〜出発


春早い頃から、「今年の夏はヨーロッパに行こうかな。」と漠然と考えていた。
原油価格が下がったことにより航空運賃のサーチャージもなくなりそうだし、ユーロも昨年夏には1ユーロ=170円近くあったのが、春先には120円代まで下がって落ち着いてきたということもあった。
ただ具体的に何処へというのはなかった。
GWも終わり、夏休みの目処もたったのでチケットの手配にかかった。
さて何処へいくか?
候補を並べてみた。
まず行ったことの無い国、北欧4ヶ国、ポーランドやルーマニア、スイス、北アフリカのチュニジアやモロッコ。
う〜ん、あんまり食指が動かない。
チュニジアやモロッコもいいのだけど、昨夏、ヨルダン・シリアでけっこう苦労したのでアラブ圏とビールを飲むのに苦労するところはやめておこう。

じゃ再訪か。
真っ先に浮かんだのがポルトガル。
8年前あの9.11の翌日に日本を出発して行きポルトガルを気に入った。それなので機会があれば再訪したいと考えていた。
いつものようにネットで検索をかけてみたが満席だったり値段が高かったりして思うようなチケットが出てこない。
アジア系や中東系でリスボンに乗り入れている航空会社は少ないので、必然的に日系か欧州系の航空会社の選択となるが思うようなチケットが無い。
何社か当たってみたが似たような結果しか出てこないのし妙案も無いので、どうにもならなければANAで22万の選択かな、これだと伊丹から成田に飛ばないと行けないので面倒くさいけど。
ともかく一旦、棚上げ。

某土曜日、私はJR高槻駅近くを歩いていて、たまたまH.I.Sの高槻支店の前を通りかかった。時間もあったし、何も考えずに店に入った。
対応をしてくれた女性に「8月7日出発18日現地発19日戻りの関空発リスボンの往復チケットありますか?」とオーダーした、出てきたのはルフトハンザ、エールフランス、KLMオランダ航空の3社、18〜22万。それも3日以内に購入してキャンセルがきかない日程変更も不可、つまりキャンセルするとなると10数万円溝に捨てることになる。
「そんな、怖いことできませんよ。仕事の予定が変わったらアウトじゃないですか。」と笑って言うと、その女性(実は店長)は、「どうしてもリスボンでないとだめなんですか?例えば、マドリードかバルセロナでは、そのあと陸路とかLCC(ロー・コスト・キャリア=格安航空会社)で移動されたらいかがですか。」と言って検索かけてくれたが、マドリードでもそれほど安いチケットは出てこない。
私がふと「カタール航空でありませんか?たしか午前0時過ぎに飛ぶので、出発が7日で、日本着が19日で調べてもらえませんか?」と頼んで調べてもらった。
「ogawa様、19日着はフライトがないですが20日着だとあります。値段は13万円です。安いですね。」
それでかまいません。トランジットが7時間だが、値段を考えれば妥協できるかな。
と予約金を払って予約成立。残金は7月中旬までに支払い。

7月上旬、夏休み後半の20日21日と仕事が入ること確定。
「アタタタ、チケット変更しなくては。ともかく全額払いのチケット買っておかなくて良かった。」と、昼休みにH.I.Sに電話。
「あのー、フライトの予約の変更をお願いしたいのですが。」
とやりとりしたら、今度はカタール航空の帰りのフライト変更によりチケットに種類が変わるので24万円になってしまうとのこと。
これは痛い。他にフライトは無いかと相談するとエールフランスが18万5千円、ルフトハンザが17万円で出ているとのこと。
「ルフトハンザ前回は21万だったじゃないですか。」と言うと「ogawaさんもご存知のとおり、ちょっと複雑なシステムでして。」「そうですね、それでは8月6日関空発、8月17日から19日に関空着で取れますか?」「6日は大丈夫です。戻りは空いているは17日分だけです。」「それでかまいません。」
「これは残席が2です。それと3日以内に購入していただきキャンセルがきかないチケットですけどよろしいですか?」
「いいです。ここまでくれば予定の変更もないでしょう。明後日、店行きますし。」
「30日前ですので前回予約金はそのままスライドしますので残金お願いします。それとogawa様はもともと目的地がリスボンでしたよね、帰りのフライト、リスボン発にしておきましょうか。」
「それは、ありがたい。それでお願いします。」
関空発フランクフルト経由マドリード・イン、帰りはリスボン・アウトのフランクフルト経由関空着で落ち着くこととなった。
スペインは20年ぶり、ポルトガルは8年ぶりとなる。
ヨーロッパは2004年にイタリアに行って以来であるので5年ぶりとなる。

さてルート。
20年前はマドリードとバルセロナだけの滞在であった。
今回はアンダルシア地方からポルトガル南部を抜けてリスボンに抜けることにした。
フライトの関係で実質滞在は9日、最後リスボンでは2泊はしたいので、それほど欲張ることはできない。
と、いつもならこれで出発なのだが、今回はいくつか事前に予約を入れた。
一つはマドリード到着日の宿、マドリード到着が20時30分なので市内着は22時近くなるので市内中心部の宿に予約を入れた。

もう一つ。
グラナダにある「アルハンブラ宮殿」、これはバルセロナのガウディ建築とならんでスペインが世界に誇る遺産の一つである。
出発の3日前にネットでアルハンブラ宮殿のことを調べていたら、入場制限があり時間単位で入場者数が決められていることが判明。
当日、朝イチに入場券販売窓口に行っても、その日に入れるかどうか限らないと書かれている。事前に予約を入れてカード決済すればOKである、という記述があり、そのサイトへ行きアルハンブラ宮殿の予約をはじめた。
ところが第1希望日は、すでに完売・・・あたたた。
第2希望日もすでに完売に近く、空いている時間は8時30分入場と9時入場の時間のみ、それ以降は夜まで完売。
8月8日の9時入場の1枚を予約してカードで決済。
これにより8月7日中にグラナダについていなければならなくなった。
そうなるとマドリードは実質スルーだな。

あとバスや鉄道の時刻表をプリントアウトして準備は完了。

ルフトハンザ741便は定刻どおりフランクフルト空港に到着。
「この空港こんな広かったっけ?」と思うほど長い連絡路を歩きEUへの入国審査をして乗継便のターミナルへ。

2時間半のトランジットでマドリード便。

このフライト、SPANAIRでルフトハンザとのコードシェア便である。
関空−フランクフルト便が日本人観光客で満席だったのが、この乗継便、まったく日本人というか東洋人を見ない。

接続も良いし、スペインは人気エリア、そして夏休みなのに日本人は私だけだって?



マドリード12時間 へ

表紙へ

海外旅行目次へ