与那国島一周


「民宿もすら」
まずイメ-ジするのは映画「ゴジラ」シリーズに登場する怪獣モスラである。
流石にそれはないだろう思っていたが、やはりモスラ由来であったw
与那国島にはヨナグニサンという日本で最大の蛾が生息している。
ヨナグニサンがモスラのモデルになったということである・・・ナルホド!

天気は曇り。雨の予報だが降らないだけまし。
石垣島周辺の島を「八重山」というが、与那国島は八重山には含まれない。
宿の主人や昨晩のリピーターに教えてもらったのが、与那国の海は八重山の海と色が違うということ。
八重山はエメラルドグリーンだが、与那国はディープブルーとのこと。
この目で見てみないと。
朝、宿から近いナーマ浜へ。



日本最西端の岬


















恵比寿神社







本殿

















島を一周してから気がついたのだが、石垣島から100km、台湾からも100kmと独立した島のため断崖が多く砂浜が少ない。
ナーマ浜も入り江の奥にあるため砂浜として残っている。
残念ながら曇天のため透明感が感じられない。
その先は日本最西端の岬、ここへは後で行く。
昨晩SNSで「与那国島に来た」とアップしたら「最西端の砂を持って帰ってください」とコメントが。
洒落で面白いなと思い依頼に応えることにした。
旅にはいつも数枚のフリーザーバックを持参しているのでお安いご用である。
今まで「砂」を持って帰る発想はなかった。
八重山の「星砂」でさえ興味を持ったことはない。
朝から砂を集めている自分の姿に笑ってしまったw



ご依頼の「砂」w

浜の左手の恵比寿神社はいかにも琉球の造りである。
久部良港に設置されている与那国島観光案内図を何気なく見ていたらとんでもなく古いモノだと気がついた。
島の名所はかなり劣化しているが判別できる。
右側の観光案内の問い合わせ先は交通機関などの電話番号が「7」の一桁で始まっている。(今は「87」の2桁)
与那国島への交通ガイド、「南西航空」は1993年にJALグループの「日本トランスオーシャン航空」に屋号が変更されている。
YS11もとっくに退役しているし。
少なくとも30年以上前に設置されてそのままなのであろう。



設置されてから何十年経ったのだろう


















宿に戻り、原付をレンタルして島一周スタート。
まずは、日本最西端の岬へ。
坂を上りポイントへ。
展望台に到着すると足下に地図が。
台湾まで111km、沖縄本島まで540kmと記されている。
年数回は台湾が見えるそうである。
今日は生憎の曇天、台湾どころか10km先がもやっている。


























丘を下り、島の南を走る。
予想以上に風が強いのと寒い。
バイクじゃなくレンタカーにしとけば良かったかなと、少し後悔。
テキサスゲートという馬や牛がエリアの外に出ないように道路に4つ段差をつけて横一列に穴が開けてあり、牛や馬が通れないようにしている。(写真撮るの忘れた)
バイクで通るとパンクしたのかと思うほどハンドルが取られる。
その先は道路に糞がいっぱい落ちている。
糞でスリップして転けたら洒落にならない。慎重に運転w
次のテキサスゲートまでが放し飼いの牧場である。

しばらく走ると左手に大きな建物が。
陸上自衛隊の与那国駐屯基地である。隣には大きなグランドもある。
かなり大規模な基地である。
日本の西の端でこれだけの規模の基地、今年は新たに電波塔が増設されている。
島民1700人の島に、230人が配属されているという。
某国対応である。
撮影は禁止。
ただGoogleマップでは見ることができる。全部丸見え。
自衛隊員を撮るなら別だが、施設のレイアウトはすべてわかる。
ロシアのウクライナ侵攻でも黒海に飛んでいる米軍のフライト丸わかりだし。
ネットで何でも調べることができる時代である。
おそらく監視カメラも設置しているだろうから下手なことはしないほうがいい。
その柵の手前を与那国馬の親子が草を食んでいる。
子馬は生まれたばかりのようだ。

さらに走っていくと、海沿いに開けた場所に数頭の馬がいる。
バイクを止めて馬に近づいてみる。
以前、飼育員の方から「馬は後ろから近づいてはいけません。蹴られることがあるので前か横から近づいてください」と教えてもらった。
どう近づこうと考えていたら、馬は何ごともないように私の前を歩いていったw
そこから近くの「猫岩」へ。
岩から突き出した突起が猫の頭に見える。
背中をなでたくなってくる。
これが晴れていたらもっと鮮やかな風景だろうに、やはり天気は重要である。



















































猫岩






さらに東に進む。
比川地区に到着。
比川浜へ。
築堤を越えて浜へ降りる。
ここも数少ない浜である。
沖合には防波堤が設置されている。
黒潮の流れに位置し何も遮るものがないため、ダイレクトに波が押し寄せる場所でもある。ここも晴れていれば美しい表情を見せてくれるのだろう。
まぁ「また来なさい」という島からのメッセージと受け取っておきましょう。
海に向かうと途中にグレーの帯が、何だと思い触ると「軽石」。
「なんだっけ、これ?」どこかで見た記憶がある。
しばらく軽石触りながら考えていた。
「そうか!1月のトンガの海底火山の噴火で軽石が噴出し、大量の軽石が黒潮にのって沖縄各所に流れ込んだとニュースが流れていた。これか!」
3ヶ月以上経ち流れ着いた軽石は、徐々に沖縄から離れていったが、浜に打ち上げられたものが残っているのか。
ナーマ浜では気がついていなかったな。
私は軽石をフリーザーバックに入れ始めた。
砂とのセットで面白い。
洒落の依頼にはおまけをつけて渡そうw
いずれこの軽石も満潮時や波で海に戻り黒潮に乗り何処へか流れて行くのだろう。









集落を守る防波堤






























グレーの帯がトンガ海底火山噴火で流れ着いた軽石











築堤は集落を守るように築かれている。
その集落の東の外れ一つの建物が保存されている。
2003年に放送された「Drコトー診療所」の診療所である。
私はドラマには疎いので全く知らなかったが、与那国空港でこの番組のポスターが何枚も貼られていたので知った程度である。
それが残されている。
中に入るには200円必要である。
聖地巡礼しているわけではないので外から1枚。
看板の「志木那島診療所」はこのドラマが架空の「八重山諸島志木那島」が舞台であるとのことである。(後でWikiで知った)















ロケ地「志木那島診療所」










さらに原付を走らせ一旦島の中央部に向かい再び南へ。
海岸に出たところは立神岩。
巨石が海中にそそり立っている。
確かに立っている神に見える。
そこから少し離れている軍艦岩へ。
確かに軍艦に見える。
どれも長年、波に浸食されてできたものであろう。


















































そして島の東端、東「埼」灯台へ。
展望台は東「崎」展望台。
同じ場所にありながら字が異なるのが面白いところ。
ここは馬だけではなく牛も放し飼いされている。
ここまで宿を出て2時間。
ちょうど島の半分を走ったことになる。
八重山の優しい景色とは異なる荒々しい景色は魅力的である。































今度は島の北側へ。
ぐるっと回り、四畳半ビーチ。
亀甲墓地を抜けていくと四畳半ビーチへ。
四畳半以上あるが狭いビーチであるw
ここも軽石が美しい文様を作っている。
島の北側なので南側ほど波が高いわけではないが、ビーチで遊ぶ所ではないな。
この島に来る人たちはダイビングやシュノーケリング目的の人が多く、ビーチで遊びたいのであれば八重山のほうが選択肢がある。

























音がするので見上げると飛行機が離陸したところである。
お昼ということは那覇便である。
与那国空港は石垣便は朝夕の2便(繁忙期は3便)、那覇便は昼の1便である。
島最大集落の与那国へ。
ここには役場から小中学校などがある。





































西へ向かい与那国空港へ。
フライトの合間の空港はガランとしている。
次のフライトは18時50分である。
ベンチで休憩。
原付で2時間以上走るとさすがに腰が張ってくるのと、風が強く気温が高くないので身体が冷えた。













久部良に戻り、島一周は終了約20kmだった。


日本最西端とフェリー

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