ハバナ旧市街ウォーキングツアー


エアコンがうるさく、また時差ボケのためよく眠れなかった。
なぜか電源を切っても、中から「バキッ」「ガタッ」と音がしている。なんだこのエアコンは、部屋を変えてもらおう。
寝ぼけた顔で最上階のレストランへ。
窓が開け放たれ、風が入ってくるためとても気持ちが良い。
最上階ということもあり市内も見渡せる。



















午前中は「ハバナ旧市街ウォーキングツアー」という現地ツアーに申し込んでいる。
料金も2,600円とこの手のツアーにしては格安である。
主催はH.I.Sである。
9時30分にプラザホテルロビー集合。


























15分ほど前にホテルに着くと声をかけられた。
「ogawaさんですか?」
「はい」
「ハバナ旧市街ウォーキングツアーのガイドのオバルドと申します。今日のツアーはogawaさん1人です。よろしければ集合時間より早いですがツアーを始めましょうか」
「私はかまいません。よろしくお願いします」
オバルド氏は、30代前半、ハバナ大学日本語科を卒業。来日経験はないが、とてもこなれた日本語を話す。



オバルド氏




































まずはヘミングウェイが通ったというフロリディータへ。
朝ということもありまだ開店前のため誰もいないが、オープンすると一日中客が途絶えることはないという。


旧市街を横断するメインストリートのオピスポ通へ。
オピスポとは「牧師」の意味であり、この通りの奥に教会があり牧師がこの通りを往来したことからつけられた名称である。
ここも午後からは観光客で歩くのもままならないという。














歩いていくと右手にピンク色の建物が。
ヘミングウェイが定宿としていたホテル・アンボス・ムンドスである。
部屋は511号室と決まっていたとのこと。

























次はアルマス広場へ。
ここからキューバ独立運動が始まり、像は革命の父カルロス・マニュエルである。
彼の説明はとてもわかりやすく、ガイドブックに書かれていないことも話してくれる。















フエルサ要塞






徒歩というのも私の好みである。
彼は、H.I.Sと契約しているのではなくキューバ政府に登録した観光ガイドであり、政府からH.I.Sのガイドとして派遣されているのだという。
社会主義国家らしい雇用形態である

次に彼が案内してくれたのは建物の壁一面にモザイク画が書かれた建物である。
彼が種明かしをするまでまったく気がつかなかったのだが、向かいの建物が「絵」と同じ位置に扉や窓がある。
これは面白い。これはJICAの支援で建てられたのである。
キューバは、日本から見ると距離も心理的にも遠い国であるが、このような支援をしているのだ。



























ナルホド!


















昨日行ったカテドラルやラ・ボデギータ・デル・メディオに行き、次は海沿いへ。

























































屋根裏までサインが・・・どうやって書いたのだ?






その一角に「支倉常長」を記念した像がある。
支倉常長といえば安土桃山時代の伊達藩の武将であり、慶長遣欧使節団でローマまで行った人物であるが、なぜキューバに像があるのか?
日本からローマに行く途中にキューバにも寄っている縁で、2001年に仙台育英学園が仙台開府400年を記念して寄贈したものである。
オバルド氏は、その時の記念式典で通訳をおこない日本語で仕事をしようと決めたとのこと。
これも縁だな。
ちなみにこの像はローマを指しているそうである。





































丘の上のキリスト像や、広場など案内してもらい約3時間充実したツアーであった。
おかげで位置感覚も知ることができた。
かなり暑いなか休憩無しで歩いたが、彼は涼しい顔をしている。
「オバルドさん、大丈夫ですか?でも日本人相手だとそれほど忙しくないのでは?」
「もう慣れましたから、明日も同じツアーのガイドをします。この時期、キューバは雨季のため観光はシーズンオフになりますが、日本人観光客が多く来るので8月はほとんど休みがありません」と答えてくれた。































































ビエハ広場




































彼が私に質問してきた。
「ogawaさんはキューバといえば誰をイメージしますか?」
「そうですね。まずフィデル・カストロ、チェ・ゲバラそしてヘミングウェイかな。野球が強いのは知っていますが選手名は知りません。」
「そう、ほとんどの人がその3人の名前しか知りません。問題なのは3人のうち2人はキューバ人ではないということです」(ゲバラはアルゼンチン、ヘミングウェイはアメリカ)
「言われてみれば」と笑うしかなかった。
「でもヘミングウェイはアメリカよりキューバにいるほうが長かったのですけどね」



















ツアーも終わりである。


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