キューバへ・・・前章


昨年(2016年)の夏の旅。
スペインからポルトガルを旅していたが、途中で帰りたくなるほど旅に飽きていた。
その中で旅の後半ポルトガルのロカ岬から大西洋を見たとき、「この海の向こうはアメリカか」と感じたとき、一つの縛りから外れた気がした。
今まで日本から東を向いて旅をしたことがなかった。
唯一、新婚旅行でスペインに飛ぶために、アラスカのアンカレッジ空港で1時間のトランジットをしただけである。
*冷戦時代、西側の航空会社はソ連(現:ロシア)上空を飛べないため一旦アラスカのアンカレッジまで飛び、そこから北極上空を飛びヨーロッパ各国に向かったのである。
アジア、中東、ヨーロッパと西へ向かうのが当たり前のように旅をしていた。
さて東である。
行くならピンポイントでキューバでしょう。
2015年にアメリカと国交が回復し、スターバックスもマクドナルドも無い国家そしてクラシックカーが日常で使われている国、そして遠からずアメリカ資本が入ってくるであろう。
その前に行っておきたい。

ただし日本からキューバへ行くルートは限られている。
一般的なのはエア・カナダでバンクーバー経由で入るか、アエロ・メヒコかANAでメキシコシティ経由で入るかである。
アメリカ経由も無いわけではないがハバナへのフライトが限られているため日本からの接続が良くないのと、万が一アメリカ入国が必要になった際に電子版入国カードESTAを取っておかなければ身動きが取れなくなってしまう。
その上トランプ政権になってから、いつ情勢が変わるかわからないためリスクは避けたい。

結局、ANAでメキシコシティへメキシコシティからハバナまでアエロ・メヒコで飛ぶことにした。
アエロ・メヒコはメキシコシティ-ハバナ間に1日複数フライトがあるため、トラブル発生しても対応がしやすい。
同区間はキューバ国営のクバーナ・エアもあるが、やはり安定度ではアエロ・メヒコが上である。
またキューバはホテルが取りにくい、ネット予約でも物件がほとんどでてこない。なんとかExpediaでハバナのホテルを予約することができた。
ここで手配ミスをしたことに気づく。
東に行くことは日付変更線をまたぐため、成田を16時35分に離陸し、メキシコシティ着が14時30分、これが同日着ということ気がつかず、翌日着と思い込んでいた。
普段西にしか行っていないため、このようなミスをしてしまうのである。

キューバ入国に際しては、キューバツーリストカードと海外旅行保険証明書が必要である。
ツーリストカードは、事前に取得しておかなければ入国不可である。
エア・カナダの機内で配られるとかメキシコの空港で取得できると諸説あるが、確実なのは事前に東京・赤羽橋のキューバ大使館領事部に申請し取得することである。
本人持参は2,100円、他人に依頼すると5,400円(家族の分もとまとめて申請しても本人分以外は5,400円である)、これに代理店で代行を依頼すると手数料が上乗せされるため1万数千円となる。
たまたま私は(2017年)6月の平日に別件で東京に行く用があったため、領事部に行き10分、2,100円で取得することができた。
パスポートと写真のほかに、フライトの予約表や現地ホテルの宿泊予約(到着日の予約のみで可)が必要であった。
それにハバナへのフライトはアメリカ系の航空会社はダメだということである。



赤羽橋駅から徒歩5分













カウンターで記入し、左の窓口に提出、10分程度でカードを発行してくれる












もう一つ海外旅行保険証明書であるが、私はクレジットカード付帯の海外旅行保険についてクレジットカード会社に電話して英文(もしくはスペイン語。日本語は不可)で証明書を発行してもらった。
手数料は無料、一週間程度で自宅に郵送で届いた。
これもアメリカ系保険会社(AIUなど)は不可である。

最後にお金の話。
キューバは二重通貨制度である。
観光客用の兌換券1兌換ペソ(CUC=クック)はUSドルと連動しているため、1CUCは約110円となる。
もう一つは、国民用の1人民ペソ(CUP=クバノ)は、兌換券の1/25であり、1CUPは4円となる。
路線バスや地元の食堂、市場では使えるが、観光客が行く場所ではほとんど使えない。
同じものを食べても25倍値段が違うが、旅行者にとってCUPだけで旅をするのは至難の業である。
1CUCはUSドルと連動しているが、両替する際にはUSドルは10%引かれる、そのためユーロやカナダドル、日本円で両替するのがベストである。
ただ地方にいくと日本円の両替は不可のところも多いという。
クレジットカードは。一部の高級ホテルやレストラン、空港でしか使用できない。
そのうえCUCで旅をするとほぼ日本の物価と変わらない。
ミネラルウォーター500ml 1CUC、ビール330ml 2CUCなど。
つまり、現金を持っていき、ハバナでキューバ滞在に必要な金額を一度に両替する必要があるということである。
必要最小限の現金だけ両替し、あとはクレジットカード払いという手法は使えない。

1980年代の旅のスタイルに戻ることになる。

そして出発。
前頁のとおり間一髪でメキシコシティ便に間に合ったのである。


メキシコシティハリケーン襲来

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