羽田ー成田 間一髪


羽田空港第2ターミナル、リムジンバス乗り場。
「あと搭乗締切まで70分。まずい!」
バスの到着が遅れている。
「すみません。搭乗に間に合わないのでキャンセルします。」と私はリムジンバス乗り場を離れ、となりのタクシー乗り場へ。
「運転手さん、成田空港まで。15時35分までに・・・」
カーナビをチェックして「湾岸線ならなんとかなるかも」
「お願いします」
伊丹からのフライトで10分程度遅れ、それが荷物のピックアップに響き、成田までリムジンバスの先行2台は満席状態。
なんとか間に合うリムジンバスのチケットは取れたものの、そのバスも渋滞で遅れているという。
30分時間を無駄にして、いよいよ後がない。
「成田までいくらですか?」
「定額料金で22,000円に高速代です。」
う~ん、仕方がない。これで乗り遅れたらしゃれにならない。
「ともかくお願いします。」

今回のチケットは伊丹-羽田、成田-メキシコシティで、本来であれば伊丹-成田便で取りたかったのだが、満席で取れず。
通常、伊丹-成田は180分移動時間をみなしての発券となっているが、今回は160分となっている。
(近年ネット購入とアライアンスの関係のためかミニマムの乗り継ぎ時間での発券が多い。そのため定刻の発着であれば問題ないが、少しでもディレイがあると空港内を走ることが多くなった。)
リムジンバスでも京急でも70~100分程度はかかり、前後を考えれば定刻でも厳しい時間である。
それがディレイとバスが満席で乗れない状況で、いっぺんに持ち時間がなくなってしまった。
いままでも、この区間の移動の経験があるが、これほどタイトなのは初めてである。
30分前にタクシーに乗ると判断すれば余裕だったのはわかっているが、移動費用が3,100円か22,000円以上であれば躊躇するものである。
タクシーに乗り込むとバスの係員が走ってきて3,100円を返金してくれた。
あきらめていたのに、ありがたい。

タクシーも羽田を出る渋滞に巻き込まれ持ち時間が減っていく。
ドライバーはカーナビを操作しながら空いている方面を探してくれている。
「高速代が高くなりますが、多少大回りしていいですか。こちらのほうが空いているので早く到着できます。」
「おまかせします。高速代けちって遅れたらなんのためにタクシーを使うのか意味ないですしね。」
高速上に表示が〔成田 77km〕
「成田まで77kmですか。遠いなぁ(苦笑)」
ドライバーも「そうですね。ちょっと遠いですね」と笑っている。
持ち時間は60分プラスというところか。

ANAの会員専用デスクに電話をして現在の状況と成田の到着予定時刻を伝えた。
「フライトを遅らすことはできませんが、成田へはこちらから連絡しておきます。また、ogawa様の連絡のつく電話番号を教えてください。第1ターミナル南ウイングの一番奥側にタクシーをつけていただくと最短で弊社チェックインカウンターとなります。お気をつけて。」
相変わらず手際の良い対応である。
離陸時刻は16時35分、チェックインは済んでいるが、手荷物を預けるため60分前には着いていなければならない。
目標到着時間15時35分。
現在、14時30分過ぎ、渋滞からなかなか抜け出せない。
渋滞から抜け出して東関東自動車道に入ったときには45分を切っていた。
「これは無理か・・・」
結果、ドライバー無理をしてくれました。ありがとうございました。

多少遅れたものの第一ターミナル到着は15時45分。
ANAのカウンターに着いたのは15時50分。
「ogawa様、お待ちしていました。お名前フルネームでお願いします。」とすぐ対応してもらい、そのうえ優先レーンまで誘導してくれた。
「メキシコシティ便の57番ゲートは一番遠くなりますのでお急ぎください。お気をつけていってらっしゃい。」と迅速な対応とアドバイスに感謝である。

荷物検査、そして出国審査、搭乗ゲートに到着したのが離陸30分前、すでに優先搭乗のアナウンスが始まっていた。
「間に合った・・・」
そのとたん力が抜けた。
いつものように記録のため写真を撮ろうとしたら手が震えて力が入らない。
さきほどタクシーを降りるときもクレジットカードにサインする時も震えてグシャグシャのサインになっていたし(苦笑)







これでメキシコそしてキューバに行くことができる。


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