ガリラヤ湖、夕景


まだ13時過ぎ、ティベリアに戻るべくバスを待っていた。
ターミナルと言っても道路沿いに3つのバス停が並んでいる。

ナザレ・トランスポート社の431番のティベリア行のバスを待っていた。
何本ものバスが到着しては出て行く、431番のバスはなかなか来ない。
ナザレ・トランスポート社のバスが止まると運転手に「ティベリア行きか?」と尋ねていた。その姿を見られたのか、1台のタクシーが近寄ってきた。
「どこへ行く?」
「ティベリア!」
「今はブランクの時間帯だ。バスは3時まで来ないぞ。」
「いいよ。3時まで待つし」
と返事をすると、タクシーはその場を離れていった。
15分後、再びそのタクシーが来た。
「ティベリアまで200ISLでどうだ!」
6,000円か、距離を考えれば妥当か。でもタクシーに乗らなくてもかまわない。
「100ISLなら乗るよ」
運転手は信じられない顔をした。
「それは無理だ」
「じゃあ乗らない。さようなら」
運転手は車から降りて私のところへきた。
「昨日の客は200ISLで行った。なんでお前は100ISLしか出さない。」
「昨日の客のことなんて知ったことではない。100ISLで行かないなら乗らない。さようなら。」
私は面倒になり、その場を離れ、どこかでコーヒーでも飲んでから戻ってこようと歩きはじめた。
「わかった。100ISLで行く。但し、途中で客を乗せてもよいか?」
「かまわない」
バスが21ISLなので安いくらいである。
私は、私のメモ帳にナザレ-ティベリア、100ISLとサインをさせた。
タクシーは私を乗せて出発した。
めぼしいバス停で声をかけるが、どの客も反応しない。
「ナッシング!もう少し出してくれないか」
「100ISLの約束だ。嫌なら降りる」と言ってつっぱねた。
しぶしぶ彼は運転を始めた。







車内から撮影していると、美しい街が現れた。
「いい街だ。写真を撮るなら案内しようか?」と彼は言った。
なんとかしてマージンを取りたいのが見え見えなので、あっさりと断った。













しばらくするとガリラヤ湖が見えてきた。
「上手い運転だろう!200ISLの価値はあるよな!」
「100ISLだ。なんだったら、ここから私が運転しようか?私も運転は上手いよ!」
と言うと黙ってしまった。
ティベリアに入り、バスターミナルの近くに来ると「ちょっと寄ってもいいか?」と言ってカーショップの前で車を止めた。
数分ほどしてプラタンクをぶら下げて戻ってきた。
なぜか、私にレシートを見せて「150ISLかかった」と言う。
オイルか冷却液なのであろう、それこそ私の知ったことではない。
それでもホテルの前までちゃんと運んでくれた。
降りるとき100ISLに20ISLを加えて渡すと、少しだけ嬉しそうな顔をした。

14時過ぎ、夕方に戻る予定だったのが早くティベリアに戻ってきた。













湖岸に出て、聖パウロ教会に行った。
この教会は門が閉ざしてあり、拝観希望者はインターフォンを通じて門を開けてもらうシステムとなっている。
昨日、ここに来たのは夕方だっただめ拝観時間が終了したものだと思い込んでいた。
門を開けてくれた女性は「帰るときにまた声をかけてください」と言って事務所に戻っていった。
教会内は私1人である。
聖ペトロ、イエスの8人の弟子の1人であり、最後は逆さ十字架で殉職した。
その逆さ十字架に掛けられた場所に、バチカンのサンピエトロ寺院が建てられたのである。
ここでは殉教者より、聖ペトロの魚の縁で祭られている。
教会内は私1人。
とても静かだ。
拝観を終え、女性に連絡し外に出た。



























ペトロが最初にイエスに会ったのがガリラヤ湖である







魚がモチーフ







一人、静かに祈る











































教会を出ると目の前は湖

しばらく湖岸をブラブラと歩く。























































夕食はレバノン料理にした。
羊のひき肉に香味野菜、香辛料を混ぜ生地に伸ばして焼いた料理である。
羊料理と赤ワインはよく合う。

























昨晩と同様、今宵も祭のように人が繰り出している。
ざっとこの街を歩いただけだが、マリンレジャーなどのアクティビティはあるが、映画館やクラブのような娯楽施設は少ないようである。(気がつかないだけなのかもしれないが。)
飲食店はあるがBARなどは街中では見かけない。
湖岸一帯だけが賑わっているようである。

















































明日はエルサレムに戻る。



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