パレスチナのベツレヘム


マリアが出産のためエルサレムに移動中に産気づき、ベツレヘムの馬小屋でイエスが生まれた。
ユダヤの王が生まれたという予言を知ったヘロデ王がイエスを抹殺するため2歳以下の男の子を殺せと命令し、また、東方の三博士がお祝いに駆けつけたのもこの地である。
エルサレムのアラブバスターミナルから231番のバスに乗ってベツレヘムに向かった。













料金は8ISL。
時間にして40分程度である。
ベツレヘムはパレスチナに位置している。
途中から雑然とした風景に変わった。
ここからパレスチナに入ったのだな。
イスラエルからパレスチナに入域(入国?)する時には検問はない。
ベツレヘムのバス停に到着すると、わらわらとタクシーの運転手が寄ってきた。







目的の聖誕教会まで歩いていくつもりだったが、地図を見るとどうも違う。ベツレヘムでも違う場所で降りたようである。
しかたがないタクシーで行くか。
運転手と交渉して20ISLで決着。
タクシーに乗ろうとしてナンバープレートがイスラエルのものと違うことに気がついた。



イスラエルのナンバープレート







パレスチナのナンバープレート

「そうか、彼女が言っていたのはこのことだったのか。」
前出のイスラエル渡航暦のある友人が、レンタカーを借りた時、レンタカー屋に「この車(イスラエルのナンバープレート)でパレスチナに入ると、石を投げられたりして危険な目にあう可能性が高いからパレスチナには入らないように。」と言われたと教えてくれた。
なるほど一目で違うことがわかる。
タクシーの運転手はせっかく捕まえた客なので、どこどこにも案内すると商売熱心である。







バスを降りたときにバス停周辺にとまっていたタクシー以外にも、多くのタクシーが走っていた(黄色なのですぐわかる)。
大げさではなく走っている車の2台に1台がタクシーである。
約10分で聖誕教会に到着。
これは歩いては無理だった。
運転手は1時間待っているからというが、利用するとしてもこのタクシーである必要はないためお断り。





















黄色は全てタクシー


8時にエルサレムを出て、9時前に教会に到着。
歩き方には工事中と書いてあるが、そのとおりでクレーンが見えている。
中に入ると、工事現場そのものである。
すでに団体がガイドつきで見学をしていた。































イエスの「馬小屋」はどこだと探していたら、奥まったところに階段を数段下ると小さな扉があった。
ここだと思い入ろうとしたら、神父に「10時からだ」と止められた。
先ほどの団体は特別だったのか。
まだ1時間あるので一旦外に出ることにした。



ここが入り口










































外に出て右手に進むと屋外カフェがある。
まだ営業時間前のためチェーンがかかっている。
そのチェーンをまたいでテラスに入ると眺望が開けた。
遠くの丘陵地は人の手が入っていない荒地である。
これがパレスチナの風景か。





















これがパレスチナの国旗

市街地の方に戻ると見慣れたロゴが。
でも、どこか変。
店の作りも違うし。
どうみてもパクリだなこれは。









やっぱり違う。
スタバのロゴには地名は入らない



聖誕教会の近くに、マリアがイエスに母乳を与えた時、こぼれた母乳が固まったといういわれのある教会ミルク・グロットがある。
聖誕教会から徒歩3分ぐらいのところである。
コプト教の教会である。
イスラエルに来てからギリシャ正教、ロシア正教やエチオピア正教、名前は知っているが初めて教会内に入る宗派が多い。
やはりこの地は特別な場所である。
中は褐色の肌の人たちが、祈っている。
































そろそろ10時前、聖誕教会に戻る。

























「馬小屋」の前には、すでに10人程度待っている。
10時なっても清掃が終わらない。
10時15分頃、最初のグループで入ることができた。



イエスが生まれた場所が星印になっている。
中には涙を流して、星にキスをする人もいる。
感激のあまり泣き崩れる人もいる。
仏教徒であるが、さほど熱心な信者ではないので、こういう光景はどこか醒めた目で見ている。



みんな星に触れて祈っている



















ただ2015年前、ここでイエスが生まれ(たことになっている)、「死」の聖墳墓教会と並んで、「生」の聖誕教会は聖地であることには間違いない。
にわかキリスト教徒の私も、十字を切って星に触れた。






外に出たら、長蛇の列。































聖誕教会を出て、正面に見えているジャーマ・アル・オマル、そして聖マリア教会と歩いていくとバザーのエリアになった。
歩いているのはイスラム教徒のアラブ人ばかりである。
これだけでもパレスチナとイスラエルの関係がわかる。





























































































中東でよく見かけるジュース売り


















写真を撮りながら歩いていると大通りに出た。
そこのバス停には231番のバスが止まっていた。
このバス停が始発なんだ。とうことは先ほどベツレヘムで降りずに終点まで乗ればタクシーを使う必要もなかったのである。
初めて来る土地で何もかも都合よくいくわけもないし。
パレスチナの他の場所も行ってみたかったが、バスのルートなどがよくわからないのと、ベツレヘムなどの一部地域を除き、警告が出ている地域であり、情勢のわからない旅人はトラブルに巻き込まれやすい。
いままでの経験からやめておいた方がいいだろう。













ちょうどよい、このまま231番のバスでエルサレムに戻ることにした。
途中、パレスチナからイスラエルの国境(?)で検問があり、パスポートを提示。









ここが検問所












ここでも簡単な質問だけであった。
昼過ぎにエルサレムに戻ってきた。



ショッピングモールと兵士

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