朝のシェーンブルン宮殿


8時、シェーンブルン駅。
雨混じりのはっきりしない天気である。

観光客がぱらぱらと宮殿に向かっている。
シューンブルン宮殿・・・ハプスブルク家の栄華を今に伝える宮殿である。
フランスのベルサイユ宮殿の元になった宮殿でもある。

8時の開場にあわせて多くの観光客が来ている、観光バスも続々と到着している。
ウィーン観光の一日の最初はここからである。







正直言うと宮殿の内部の部屋や装飾にはそれほど興味はなく、庭園など外のほうに興味がある。
宮殿の周りには観光客ばかりだが、庭園はジョギングをする市民などがいる程度でまばらである。
京都御所と似ている。

























私は宮殿の全景を撮るべく丘を上っていった。
ただ、天気が良くないので写真を撮っても映えないであろう。
とりあえず全景を撮り、丘を降りた。







宮殿の近くに戻ってくると、「あのぉ、写真を撮っていただけませんか」と日本語で声を掛けられた。
20代の女性2人組から年配のご夫婦や家族連れなど、10数人程度のツアー客であった。
何台かのデジタルカメラやスマートフォンを預かり、皆さんに並んでもらった。
「それでは撮りますよ」と声をかけると、何人かがVサインを出した。
実は、私はこの「Vサイン」がとても気になるのである。
記念撮影で、Vサインを出すのは日本人と韓国人に多いと感じている。
他の国の人でもVサインを出す人がいないわけではないが、この2カ国が圧倒的に多い。
たぶん、どのような表情をするのか、どのようにポーズを取ってよいのか分からないためVサインによってバランスを取っているのであろう。
また、普段からプリクラやコンデジ、スマートフォンで自分撮り、友人と一緒に撮る時に、無意識に自分を可愛く見せる、という条件反射もあると思う。
個人それぞれなので、私がとやかく言う筋合いではないが、集合写真で何人かだけVサインというのは、バランスが悪いし、何も考えていない人のように見える。

私は「Vサインはやめませんか。集合写真だとVサインに目が行ってしまい、皆さんの良い表情が消えてしまいます。」と言って手を下げてもらった。
下げさせられた人は手のやり場に困ったようであったが、全体としてはバランスの良い写真になった。
天気は快復するどころか、雨が降り始める始末。
撮影をやめて、シェーンブルン宮殿を後にした。



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