ホイリゲを一杯


「リンク」・・・ご存知の方も多いが、は中世時代、聖シュテファン大聖堂を中心に城壁と壕で囲まれていた。19世紀半ばに撤去され、環状道路なりリンクと呼ぶようになった。
現在は環状道路と共にトラムも運行されている。
リンクの中心の聖シュテファン大聖堂まで歩いて15分程度である。
24年前、聖シュテファン大聖堂に来たとき、35mm広角レンズと70~210mmズームレンズの2本しかもっておらず、35mmでは全景を収めることは不可能であった。
そのため、今回は24mmレンズを持ってきた。
さすがにこの画角だとすべて入る。



24mmだと全部入る
























ウィーン郊外には、広大なブドウ畑がありワインを生産している、そのワインを飲ませる酒場エリアがある。
ホイリゲ酒場と呼ばれている。「ホイリゲ」とは「今年の」という意味で、毎年11月11日に解禁させる新酒のワインである。
ボジョレー・ヌーボーと同じである。
夏場のこの時期は、厳密にいうと「ホイリゲ」は無いのであるが、昨年、作られたのを飲ませてくれる。
今宵はホイリゲを飲みながら夕食と考えていた。

ホイリゲ酒場は郊外の「グリンツィング」が有名である。
今回、友人に「ウィーンに行く」というと、グリンツィングとは別のエリアを教えてくれた。
日本のガイドブックにはホイリゲ酒場は「グリンツィング」の案内しか載っていない。
他にも有名はホイリゲ酒場の地区があり、友人からは「シュタマースドルフ」という村を教えてもらった。
「ホイリゲ」は、ホイリゲの飲ませる酒場とホイリゲそのものと両方の意味を持っている。
ここでは、紛らわしいので酒場を「ホイリゲ酒場」とし、ワインを「ホイリゲ」と表記する。
ここはリンクから31番のLRTに乗り約40分程の終点である。



















着いてみると、典型的なヨーロッパ郊外の街並みである。
しばらく歩くと、ホイリゲ酒場が1軒営業していた。
慌てて入ることもないと、もう少し歩いて行くと、ホイリゲ酒場のマップがあった。
しばらく歩いて行くと酒場があるが閉まっている店が多い、すでに5時を回っているので、どういうことだろう。
ある酒場では扉が半開きになっていたので、中を覗くと犬に吠えられる始末。











































さらに10分程歩いて、やっと開いている酒場を見つけた。
入ってみると、客は数人だけ。
対応してくれたのは素敵なマダム。









酔っぱらって陽気になるのは世界共通







存在感のあるマダム






料理はできているのを注文するシステム、ワインは何種類かあるが、もちろんホイリゲを注文。
一杯、2,4euro=約300円。ジョッキ1杯は250mlである。
久しぶりのホイリゲである。
それこそ20数年ぶり。
一口、微発泡性の口当たりが良く、やや甘くスッキリした味わいである。













中庭は、私の他には猫が一匹とカップル一組だけである。
友人は、日本人にはあまり知られていないけど欧米人には有名であると言っていたが、それにしても少ない。
1杯目を飲み、2杯目をおかわり。
飲みながらなんとなくわかってきた。



















有名なホイリゲ村とはいえ、今は夏場、オフシーズンである。
来る客も少ないので、間引き営業をしているのだろう。
だから11月の解禁の頃には一斉に営業して、それこそできたてのホイリゲを振る舞うのだろう。
このワインも充分美味しいが、新酒はもっとフレッシュで爽やか味なんだろうなと思いつつ3杯目をおかわり。
1人で飲むと会話がないので、どうしても飲むピッチが速くなる。
3杯目を飲み終えたら、酔いが回ってきた。
250ml×3杯=750ml・・・ボトル1本分飲んだのだから当たり前か。
午後8時過ぎ、まだ明るさが残っている中、ほろ酔い気分で電車に乗りリンクまで戻った。
ホテルに戻る途中、カフェで楽しそうに飲んでいる人たちを見たが、さすがに今日はこれ以上飲みたいと思わない(苦笑)





































今日はそうそうにお休みなさい。



朝のシェーンブルン宮殿

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