マハーバリプラムへ


今日はチェンナイから60kmほど離れたマリーバラプラムに行くため、8時にはホテルを出ようと考えていた。
朝食の時間がいつかわからない、フロントに電話しても要領の得ない返事で、新聞を読みながら待っていたが、結局、朝食を食べそびれてしまった。



新聞はホテルのサービス

ホテルの前にいるオートリキシャでチェンナイ・モフジ-ル・バス・バスターミナル(CMBT)までというと300ルピーという返事が。
やはりチェンナイは都会だ、ちょっと高い。それを断り、流しのオートリキシャで交渉しても300ルピー。
昨日の感覚だと200ルピーでもいけそうなのだが、足元を見られているのでしかたがないないか。

約20分強でバスターミナルに到着。
タミル語とヒンドゥー語の表記ばかりで、どこからマリーバラプラム行きが出るのかわからない。



















とりあえずターミナル3ということがわかり、ターミナル3で一番近くにいた関係者にマリーバラプラム行きはどこかと聞くと、「このバスだ、ただしチェンガルパトゥで乗り換えだ。」
「わかった、でもチェンガルパトゥという表示かなにかあるのか?」
「大丈夫だ、私が乗る(車掌)。120ルピーだ。もう出発するぞ。」
60kmでこの料金か、インドの公共交通機関は安い。
バスの行き先はタミル語とヒンドゥー語でしか表記がないので分からないが、ともかく近くまでいくようだ。直行便もあるが、1時間に1本程度らしい。乗り換えでも先に出発するバスのほうが良いだろう。
バスにはウルトラ・デラックス・コーチと表示されているが、オンボロバスである。
シートは大丈夫、お尻が痛くなることはなさそうだ。
もちろん、エアコンなんぞ無い。








































やっと到着

バスは順調に走り、道路標示にChengalpattuが見えはじめたが2時間を過ぎても着く気配がない。乗り越してしまったのか?と不安になった頃、車掌が「ジャパニーズ、ネクストだ!」と声をかけてきた。
道端に少しだけ草を刈り取ったスペースがあり、オートリキシャが数台止まっていた。
オートリキシャのドライバーが声をかけてきた。
「マリーバラプラム!80ルピー!」
他に交通手段もないし、素直に乗った。
そして10分程度で市内中心部に到着。
ドライバー氏は郊外にあるヘビ寺院も案内するからと誘ってきたが、断って海岸寺院の前で降ろしてもらった。



オートリキシャのドライバー






まずは海岸寺院へ、この寺院は8世紀初頭に建造され、7つの寺院があったが今はこの寺院一つだけとなっている。
入場料は外国人料金の250ルピー(ちなみにインド人は10ルピー)を払い、敷地の中へ。
遠くに寺院が見えている、イメージしていたより小さい。
近くまできても同じである。
それに海側には防風林が植えられ、海は遥か彼方である。
遺跡保存のためには仕方がないのだろうが、『河童が覗いたインド』(妹尾河童著)の、海岸寺院の石垣のすぐ下は海というイラストであった、それを期待していたため正直がっかりした。









途中にある博物館の関係者、寺院に行った後は寄るようにと力強く言われた。
ゴメンナサイ、結局行きませんでした。













海岸寺院というイメージではない







もう少し近寄ってみる







寺院やナンディー牛は、1000年以上の風雨にさらされたため角が丸くなり、細かな彫刻は風や海に削られてしまっている。
正直、期待はずれではあったが、ナンディー牛に触れた時、時の流れを感じることができた。



角がなく丸い感じである













ナンディー牛の彫刻







インド人の写真の撮る姿は面白い































敷地を出て、隣接する海岸に向かう。
土産物屋の並ぶ通りを抜けるとビーチである。



















昨日のチェンナイのマリーナ・ビーチと同様、多くの人が遊んでいる。
みんな楽しそうだ。
撮っている私も自然と微笑んでしまう。



人力の回転木馬、チェンナイのそれよりプリミティブである































もう少し晴れてくれればメリハリのある写真になるのに






チェンナイのマリーナ・ビーチほど人は多くない







気軽に撮らせてくれる

























実に楽しそうだ


















海岸から寺院を見ると、防風林の手前には砂浜が流失しないよう護岸用の岩が置かれている。
う~ん、世界遺産でもあるし、守るためには仕方がないのか。













海岸を離れ、街のメインストリートを挟んで山側へ。
まず「アルジュナの苦行」という女神ガンガーがこの世に降りて来た時の物語をレリーフにしてあるという。
見事である。































そしてこの岩山一帯には他にも寺院や石窟がある。その岩山に上り北に向かって歩くと、不思議な岩が見えてきた。
斜面の途中にスパッとナイフで切ったような半球の岩である。
通称、クリシュナのバターボール。















何と言えばいいのか







とても楽しそうなグループ













クリシュナがバターボールが好きだったから、この名がついたとも言われている。
私はフレンチを食べた時、パンと一緒についてくる丸いバターのイメージだった。
クリシュナのバターボールは、インドが好きな友人が以前「南インドにはクリシュナのバターボールという不思議な岩がある」と話していたことを思い出して、行ってみようと思ったのである。









いつでも転がりそうだ






斜面の途中に今でもころがり落ちそうな岩であるが、その昔、この地の王がゾウに引かせたが、まったく動かなかったのである。
海岸寺院と同様、1000年以上もこの場所に鎮座している。





















ここに来たのは海岸寺院とクリシュナのバターボールが見ることが目的だったので、これで帰ってもいいのだが、ここに来て、まだ2時間程度である。
2時間バスに揺られて来たのである、もう少しゆっくりしていこう。

近くのレストラン(HOTELと表記されることが多い)でチキン・ビリヤーニを注文。
食べていると、主人がやってきて「オレが作ったビリヤーニだ、味はどうだ?」と聞いてきたので「グッド」と答えたら、私の肩を強くたたいて笑った。
その機を使って「おじさん、写真を撮らせてよ」と頼んだ。
すると主人は奥さんを連れてきて一緒に撮ってくれと言ってきた。
おやすいご用である。
ありがたく撮らせていただいた。













昼食後、ファイブ・ラタ(5つの石彫り寺院)へ。
岩山から歩くこと約15分。
途中、石彫りの店や土産物屋が並んでいる。













































椰子の実から作った猿、面白い


ファイブ・ラタに到着。
5つの様式を持った寺院であり、その後の南インドの寺院の原型となっている。
入場料は海岸寺院のチケットと共通である。
なんとなくこんなものかなと場内をブラブラとしていた。
歩き方の欄外には読者の投稿で、「ここは午前は逆光で、午後から再度入場し撮影しました。訪問するなら午後に。」と書いている。
逆光でも撮れるし、そこまでして撮らなければならない寺院でもないだろうと一人苦笑していた。

























3時過ぎ、そろそろチェンナイに戻ることにしよう。
中心部のバスステーションには何台かバスが止まっており、時刻表もある。
ところが時刻表は、タミル語とヒンドゥー語なのでさっぱりわからない。
そこで近くの人に教えてもらった。









判読不能(苦笑)




































それでわかったのはチェンナイ行きは朝乗ったバスターミナル行き以外にも複数あるということ。
そこで一番、最初に出るバスに乗った。



AC車で行きのバスより快適だった
料金は同じ

チェンナイに着けば、そこからオートリキシャで帰ればいい。
乗ること2時間、海岸通りの道を走行していると見慣れた像が建っている交差点で止まった。昨日もこの交差点を通っている。
ここで降りれば、ホテルまで2km程度である。
歩いて戻れる。
これはラッキーと、ここで降ろしてもらった。









MRTS(都市高速交通)の下をくぐり、川をわたった。







川はゴミ捨て場となっている。
昔はチャイの器などは素焼きなので、そのまま捨てても土に還ったが、その習慣で、ビニールも紙コップも同様に捨てるためそのまま残っている。
なんとも悲しい光景である。



ゴミ捨て場と化した川

その先にはショッピングセンターがあった。
気になったので入ってみた。
なんとなく垢抜けない感じだが、最上階は映画館になっており、KFCもマクドナルドも出店しており家族連れで賑わっていた。













今晩はビールが飲みたかった。
私の泊まっているホテルは中華料理店しか無いので、ビールを飲むとなったら中華料理とセットになる。
中華料理を食べたい気分ではなかった。
向かいには4つ星ホテルがある。
ここなら飲めるはずと行って見たら正解だった。
しかしパーミット・ルームとは。








なんか怪しげである






キングフィッシャー1本250ルピーと高いが、肴がたくさん出てくるしおかわりもできる。
1日よく歩いた。今回のインド初ビール、乾杯!

夕食は昨日の店でミールスを。
こちらも満足である。













明日はマドゥライへ移動。



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