インド行き再び


春、今年の夏はどこへ行こうかと行き先を考えていた。
2008ヨルダン・シリア、2009スペイン南部・ポルトガル、2010南イタリア、2011インド、2012モロッコ・・・やはり遠方で、ある程度の期間、現地滞在するためには夏期休暇期間中が一番行きやすい。

バルト3国、旧ユーゴスラビア、チュニジアあたりを考えていた。
ただ、今年も旅行期間中にラマダンが重なるため、昨年のラマダン中の旅がけっこう厳しかったこともあり、イスラム圏はパスしたい。
また円安で1ユーロ130円の高止まりで、ユーロ圏は滞在費がかかる。
そのうえ年明けに車を買い換えたので、できるだけ出費は抑えたい。
チケットも原油価格が高騰してるためサーチャージが高くなり、チケットの表示価格にサーチャージ、保険料、空港使用料などを加算すると表示価格の倍ぐらいにあり、あっと驚く値段になる。
などの理由により行き先を決めかねていた。

4月の日曜日、本箱のスペースを確保するために不要な本を売るため整理していた。
文庫本は一つの棚に奥から手前まで3列に並べているため、一番前列の本はひと目でわかるが、2列目3列目は出さないとわからない。
棚ごとにノンフィクション、ミステリー、SF、旅行記など分けてはいるので分野はわかるが、ともかく棚卸しである。
その作業中、一番上の左の棚から本を出そうとしたとき手を滑らせて、その棚の文庫本が100冊あまりが雪崩のように落ちて床に散乱した。
「あたた、やってしまった」
その散乱した山を片付けようとした時、山の一番上にばらけていた本に気がついた。
『インドへ』(横尾忠則)、『印度放浪』(藤原新也)、『河童が覗いたインド』(妹尾河童)などなどインド旅行記の古典、その上、『深夜特急3(インド・ネパール編)』(沢木耕太郎)だけ上にあり、その他の巻は下の方に埋まっている。
パッと見るとインド旅行記の山に見える。
『印度放浪』や『インドへ』など最後に手に取ったのは20年以上前のはず。
「インドか・・・」
その時、なんとなくインドに呼ばれた気がした。
2年前にインドに行っているが、決してインド病に罹っているわけではない。
どちらかと言えば、前回の旅を終えたとき、しばらく行かなくてもいいかなと思っていたぐらいである。

前回のインド旅行記 ガンガーの流れと聖と俗と


その時、「インドも良いかな」と思い、作業を中断し、前回のインド行きの時に使った『地球の歩き方インド編』を出して、巻頭のインド地図を広げた。
前回はアグラ、バラナシ、カジュラホ、ジャイプールなどの北インドを回っている。
となると、今度は南か。(なぜか西や東などは思い浮かばなかった)

そのままパソコンを立ち上げ、南インド行きのチケットを調べてみると、面白い事がわかった。(本箱整理は中断したまま・・・)

南インドの中心都市はチェンナイ(旧マドラス)、日本からの直行便はないが、香港、シンガポールやバンコクからチェンナイ行きのフライトは多い、特にシンガポール航空は南インドの他の都市、ゴア、コーチン、マドゥライ、トリバンドラムなどにも毎日フライトがある。
これはシンガポールに滞在しているインド人の多くが南インドから来ているのと関係があるのだろう。

本箱の整理を終えた後、いろいろルートを調べ、行きは関空発シンガポール経由チェンナイ・イン、帰りはコーチン発シンガポール経由で関空戻りのチケットを手配した。
これ行き先が確定。







6月下旬、VISAの手配。
2年前と違い、インターネット上で書類を作成するのだが、それがとても面倒で、その上それをプリント・アウトし写真やパスポートと一緒に郵送しなければならない。



パスポートにも写真があるのに、なぜVISAにも写真が必要なのか?

それでも、なんとか事前準備は完了。
さて、出発。
そして、今回の旅は結果として「水」を巡る旅となった。



ナイトフライト~大都会

表紙へ

海外旅行目次へ