ツアー再現


ヴィラでの猿騒動、そして朝食。
約束どおり9時30分にマデさんが迎えに来てくれた。







今日はキンタマーニに行きたいのと、途中、ゴア・カジャやタンパシリンのティルタ・ウンプルに寄って欲しいとお願いした。
妻はバリは初めてだし、私は前回、このルートのツアーが雨で、キンタマーニからバトゥール山を見た時はガスで何も見ることができなかった。
そのこともあり、バリ島東部の有名どころツアーをお願いしたのである。
車を走らせること15分。
ゴア・カジャに到着。
マデさんがあらかじめ準備してくれたサロンを巻いて入場。
マデさんは顔パス。

























ゴア・カジャは11世紀頃の遺跡である。
遺跡のことを教えてもらいながら歩くと、単に見て歩くのとは大違いである。
歩いていくと見覚えのある沐浴場の女神像や巨大な顔のレリーフが見えてきた。
この遺跡は14世紀に発見されていたが、沐浴場は土に埋まっていたため、発見されたのは1950年代に入ってからである。
石のレリーフのある洞窟に入る。
前回来た時、入った記憶がない。
奥にはリンガが3体祭ってある。これは、シバ、ヴィシュヌ、ブラフマを表している。



























魔女ロンダの口の中に入っていくようだ






洞窟を出て、山に向かう、遊歩道があり田圃などを見て回ることができる。
前回、ここまでは来てない。沐浴場と洞窟のレリーフを見て次の場所に向かったのである。



日本と変わらない田圃、違うのは後ろに椰子の木があること
























ゴア・カジャを出て1km程度、クボ・エダン寺院に到着。
マデさんに行き先をまかせているので、予備知識なしである。
田圃が広がり気持ち良い風景である。
入り口横に兵士の像がある。













これは独立戦争(第2次世界大戦)の兵士を慰霊するため建立されたとのこと。
この寺院もサロンを巻かなければ入れない。
入場料がわりにお布施を払い、台帳の記帳した。
私たちの前は2日前にオランダ人が来ていた。







観光客もまばらにしか来ない寺院である。
ガムランの楽器が置いてある。
ちょっと触らせてもらい音を出してみた。
Guaaaannn
なんとも心地良い響きだ。







この寺院には「ペジェンの巨人」と呼ばれる「踊るビマ像」である。
写真だと顔が暗くて分かりづらいが、顔は仮面であり、死体の上に乗り、足首や手首には蛇が巻き付き、3m以上の彫像は迫力がある。
4つの男根を持ち左を向いているのだビマはブラックマジックの使い手である。
マハーバーラタの有名な1場面である。と『地球の歩き方』には書いてある。
帰国してからマハーバーラタを調べると、確かにその描写の記述があった。









これが「踊るビマ像」
























クボ・エダン寺院の次はグヌン・カヌイという石窟遺跡へ。
マデさんの話によると、ここは王家の陵墓であり、代々の王妃が祭られているとのこと。約30分で駐車場に到着。
マデさんは、ここで待っているからゆっくり見てくれば良いと言った。
ここもサロンを巻く必要がある。









ここが入り口












しばらく行くと石段があった、これを降りて行く。
何百段も降りていく。
ということは帰りは何百段も上らねばならない。
だからマデさん、こなかったのである。
サロンの裾を踏んで歩きにくいこと、そして降りること20分。
やっと平坦な場所に出た。









まだまだ降りて行く







途中には土産物屋が何軒もある





























棚田の横に見て、橋をわたると遺跡である。



























そのTシャツどこで買ったのですか?

























みごとなレリーフ













さて、石段を上って戻りましょう






そして、ウンウンと言いながら汗だくになり石段を上って駐車場に戻った。
マデさんに会うなり「こんな数百段の階段を下りるなら、最初から言ってください」と一言。
「ゴメンナサイネ」と言いながら目は笑っている。
そして次はティルタ・ウンプルへ。
観光は忙しい忙しい。
ここは以前にも来て、ぜひ、もう一度来てみたいと思っていた。



























私のカメラに気づいて、みんなでポーズ。ありがとう!







沐浴場



































































聖なる泉
























12時30分、昼食はパトゥール山を正面に見るレストランへ。
観光客向けレストランで値段は高めだが、景色は抜群である。
マデさんに一緒に食べようと誘ったが、ドライバー用のレストランへ行くという。
そんな気を遣わなくていいのに。





































パトゥール山、標高1717m、バリ島で一番高い山である。
先にも書いたとおり、前回はガスで何も見ることができなかったのである。
今、目の前にはパトゥール山とパトゥール湖、そして高く蒼い空が見えている。
このレストランも標高1000mを超えている。
空気が澄んでいて、とても気持ちが良い。









右手がパトゥール湖






食事の後は、レストランから少し先に行った所にあるウルン・ダヌ・パトゥール寺院へ。講堂に入り、そこを抜けて寺院へ。







この寺院はもともと湖の近くにあったのだが、1917年のパトゥール山の噴火の時、溶岩流がパトゥール村をおそった時、この寺院の手前で止まった。
このことにより、村人は神の声として村を再興したのである。
これで終わればメデタシメデタシなのだが、1926年、再びパトゥール山が噴火し、この時は神の加護もなく寺院を残して村は全滅してしまった。
村人はこれを教訓に、寺院をパトゥール山の外輪の高台、つまりこの場所に移設したのである。
立派な寺院である。





































































蒼い空が気持ち良い













なつかしいカローラ。タイプ27。






14時30分。
マデさんが「ブサキ行く?」と聞いてきた。
ブサキ寺院、バリ・ヒンドゥーの総本山だが、一方では悪質ガイドも多く、トラブルの多いことでも有名である。
前回、私も自称ガイドを振り切るのに苦労した。
朝から遺跡や寺院を回り、立派なウルン・ダヌ・パトゥール寺院も見たので、もういいやという気分であった。
妻も行かなくて良いと言っている。
もう充分である。
「マデさん、行かなくていいよ。ウブドに戻ろう。」
「そうね。わかった。」
マデさんの表情からもホッとしているのがわかる。
トラブルが多いので行かせたくないのである。
ここからウブドまでは1時間30分ぐらいである。
ウブドに戻る途中、渋滞に巻き込まれた、道端に車が縦列駐車で止まっているため、1車線しかなく交互通行になっている。
なぜかというと左手が棚田で、ここがビューポイントになっているためである。
私たちも車を止めてもらい、ビューポイントへ。
立ってみて気がついた、この風景見たことがある。もちろん来るのは初めてである。
この場所はけっこう有名でバリ島の棚田の映像はここから撮ったのが多い。先日もたまたまテレビでバリ島特集を見ていたら、この場所からの映像が流れていた。
































ウブドに戻る途中、明日の待ち合わせの時間を相談したら。
「明日は、車の祭なので、ちょっと遅くしてほしいです。」
「いいけど、車の祭って何?」
「車を飾ってお祈りをするのです。」
つまり安全祈願のお祭りなのか、しかしバリは祭りが多い。
「それでは11時ぐらいで。」
「わかったね」
ウブドに戻る途中で、お葬式があった。
「これ葬式ね。バリの葬式は何日もかけてやるよ。」









葬儀の飾り


















16時30分、ホテル到着。
明日の約束をして、別れた。
マデさん、お疲れさまでした!


ウブド夕景

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