旧市街をゆらり


市場をうろついて。そのまま通り抜けて、そのまま旧市街をゆらりと歩く。






























































船を修理する人、川で洗濯する人など日常の生活がある。
フエは町の規模が小さいということもあるが、ほんとに歩きやすい町である。



























































































































さすがに暑くなりへばってきたので、途中のカフェで休憩。















カフェのウェイトレス、一人で切り盛り






そして目的の記念館へ。
王宮の隣には歴史革命博物館がある。
昨日は閉まっていたが、本日は大丈夫である。
建物内はフエの歴史が模型や写真で展示されている。















M48戦車





兵員輸送車

前庭には南ベトナム政府軍やアメリカ軍が使用していた戦闘機や戦車、迫撃砲などが当時のままで展示されている。
雨ざらしのわりには保存状態が良い。
どれも1975年4月南ベトナム軍が撤退した時に接収されたものである。








ベトナム戦争は高射砲と戦闘機やヘリコプターによる戦闘のイメージが強い。
一方、戦車での戦闘というのは、「フエの攻防」の写真でも写っているにもかかわらず、戦車による砲撃戦のイメージは薄い。
たぶん、これはベトナム戦争の報道写真のせいかもしれない。
従軍カメラマンの戦場への移動手段は輸送機でありヘリコプターであった。
そのため空港や基地や前線そして民衆の写真は多いが、戦車の砲撃戦などは危険すぎるため撮影はできなかったのであろう。

戦闘機は主力であったF4やF5ではなく、もう一つ前のタイプのA-37攻撃機である。

ヘリコプターはUH1。
これはベトナム戦争で一番使用された機種。
映画や写真でおなじみである。







旧市街の食堂で生春巻きの昼ゴハン。















やたら陽気な店主







店にいたカップルも


















それだけでは足らず別の店でフエ名物のバイン・ベオ(小皿ごと蒸した米粉生地に干しエビをトッピングしたもの)とネム・チュア(豚肉を発酵させたもの)を食べた。バイン・ベオはシンプル味付けだが癖になりそうな味、何皿でも食べられる。ネム・チュアはビールのつまみにちょうど良い。
バイン・ベオとネム・チュアとビール1本で45,000ドン(180円)

























店を出て左手の空き地に屋台がでている。
見ているとおいしそうなので、私も1杯もらうことにした。
モツ入りの麺でとても美味しい。1枚20,000ドン(80円)
地元の青年と相席になり、日本のことをあれこれ聞かれた。
彼は2杯食べて、仕事だからと去っていった。もう満足。



























相席の青年







お母さん、美味しかったよ


ホテルの戻る途中、雑貨店にビールを買うために立ち寄った。
昨日は若い娘が対応してくれたが、今日は年配のご老人であった。
地元の333ビールが1缶10,000ドン(40円)、2缶買ってお金を払う時、なにげなく尋ねてみた。
「1968年のテト・アタックの時、お父さんはどこにいたの?」
すると老人は私の腕を引っ張り奥の椅子に座らせ、英語とベトナム語が混ざった言葉で語り始めた。
「私は兵士だった。フエで戦った。それはとても厳しい戦いだった・・・」と30分ぐらいしゃべり続けた、穏やか老人が、過去を思い出すように、時には厳しい表情になり、私に話してくれた。

ベトナム語も混じっていたので半分以上聞き取れなかったが、老人の伝えたいことはわかった。
軽い気持ちで尋ねたことが、老人の辛い過去に触れてしまったようだ。申し訳ないことをした。
今、70歳前後としたら当時は20代半ば、健康な青年であれば兵士として従軍していた確率が高いのは当然である。

話が終わりお礼を言って帰ろうとしたら、老人は、私が抱きしめたまま暖かくなってしまったビール2缶を冷えたビールに交換してくれた。
なぜか渡されたビールは3缶だった。最初に会った時のように穏やか表情に戻った老人は、1缶返そうしたが受け取らなかった。
ありがたくいただくことにした。


おそらく孫娘




そして私は最後に尋ねた。
それは老人が先の話の中で触れなかったことであった。
「お父さんは当時、北の兵士だったのですが南の兵士だったのですか?」
老人はニコニコ笑うだけで答えてくれなかった。


フォーン川夕景


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