パノラマとフェズ駅の夜


こんどは街の向かいの山の上にあるモスクを目指す。





















旧市街は車が入れないのでロバは大事は運送手段
















































橋を渡ると川では子ども達が遊び、洗濯場で女性が洗濯物を洗っている。
おまけに羊も集まってきた。































そのまま道を上っていくと街の全景が見えるポイントに出た。
そこにある岩に一人の青年が腰掛けていた。
彼は私に「ここはパノラマポイントだ」と嬉しそうに話しかけてきた。
彼の言うとおりだ。
良い眺めだ。
モスクに向かい登っていったが、この場所が一番見晴らしが良かった。



これがサボテンの実がなっているところ













モスクまではけっこう遠い
















































昨日のホテルに行きビールを飲み、遅めの昼食。
そしてネコもやってくる。
もう良いか、充分満足した。













夕方、バス・ターミナルで待っていると、一人の少年が話しかけてきた。
ターミナルの掃除をしたり、到着したバスのお客の荷物を運ぶ手伝いをしているので、バス会社のアシスタントの少年だろう。
その少年が私のキャリー・バッグを見て。
「いろんな国に行っているんだ。」
キャリー・バッグには空港で手荷物を預ける際のセキュリティー・チェックのシールや航空会社の預かり番号のシールを貼ったままにしている。













「ベトナム、カンボディア、インド・・・いいなぁ。ボクはこの街から出たことがないんだ!」と羨ましそうに話しかけてきた。
「大丈夫、将来行けるよ」と気休めを言うわけにもいかず、なんとも答えようがなく困っていると、バスが到着し、彼はバスに向かって走っていった。
バスは、遅れて18時過ぎに出発した。
途中、ドライブインで休憩。







軽く夕食。
今晩はフェズ発2時30分の夜行列車でマラケシュに向かう予定なので、食べられる時に食べておかないと一晩空腹のまま移動となってしまう。
22時30分、フェズの市内のバスターミナルに到着、そこからタクシーで駅へ。

切符を買い2時30分の列車まで時間がある。
駅構内は暑いので、外で待っていると一人の青年が「よろしいですか?」と日本語で話しかけてきた。
駅構内の椅子で私と離れたところに座って日本語の本を読んでいたので日本人旅行者であることは気づいていた。

彼の名前はKentaro君。
この春、大学を卒業して旅に出て5ヶ月目だという。
話相手が欲しいので私に声をかけてきたとのこと。
私も列車の出発まで4時間もあるので大歓迎である。

彼は長崎から船で上海に出て、そこから陸路でタイへ、タイからインドに飛び、そしてスペイン経由でモロッコに来た。
昨日、フェズに着いてすぐにパソコンやiPhoneの充電ケーブルなど一式を盗まれたとのこと。
「モロッコで窃盗に注意というのはあまり聞かないのですけど、パスポートや財布もですか?」







「それは別でしたので大丈夫です。ただパソコンに入れていた映画が見られなくなったのとネットでチケットの予約ができなくなるので困っています。とりあえず警察に被害届を出して、iPhoneの充電ケーブルは買ってきました。」
駅周辺のホテルは高いので昨晩も駅で泊まり、今晩も駅で泊まるとのこと。
体力がある若い頃しかできないことである。
旧市街に行けば安宿があると教えてあげた。

若いバックパッカーと話をするなんて何年ぶりだろう。
彼の行動力が眩しかった。
私の方が経験があるのと、彼からすると私は親の年齢でもあるので、経験談などどうしても説教臭くなってしまうのは仕方のないことである。

出発の時間が近くなったので、お互いfacebookに登録して別れた。
9月に一旦、帰国して今後の進路を考えると言っていたけど、8月後半にfacebookの更新の後は何もアップされていない。
どうしているのかな?元気にやってますか?


15分前に出発予定の番号のホームに行ったが、電気のついていない客車が止まっている。駅員に「どの列車か?」と尋ねると「この列車だ」と目の前の止まっている客車を指さした。
よく見ると真っ暗な客車の中で人が動いているのが見える。
乗ってもよさそうである、私も自分の乗る客車に行った。
真っ暗なのでマグライトを点けて自分のコンパートメントを捜した。
2時30分になっても電気も点かないし出発の気配もない。
コンパートメントには私一人だけである。
「もしかして間違えたのか?」と不安になった頃、機関車が連結され一斉に電気が点き、空調が動き始めた。
結局、30分遅れの3時に列車は発車した。
いよいよマラケシュへ。



マラケシュへ10時間

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