シャウエンへ


このホテルは食堂がないため、外に出て朝食。















ステンドグラスが美しい

















幸い、ブー・ジュールド門の食堂街で1軒だけ開店していた。
オムレツとミント・ティーの組み合わせ。
可もなく不可もないという味。
naomiさんが言っていた「何処で食べても同じ」というのがよくわかる。それに付け加えるとすればバリエーションも限られているということ。

ホテルに戻り、1階のロビーにネットブックを持ち込みネットにアクセス。
先日まで泊まっていたリアド・アル・アカワインと同様、このホテルもWi-Fiは部屋で使えず、ロビーまで降りなければならない。
チェック・アウトの後、バス・ターミナルへ。



このバスターミナル何度来たことか







切符は2枚フェズ-アウアザーネ経由-シャウエン
バスは変わらないので乗り換えは無し


























市内のバスターミナルで満席


















シャウエン行きのバスは、途中、市内のターミナルに寄り満席となりシャウエンへ。
アウアザーネを経由して13時過ぎ、ほぼ定刻にシャウエンのバス・ターミナルに到着した。
正式名称はシェフシャウエン、通称シャウエンである。


































バスから見たシャウエンの街

シャウエンのバス・ターミナルは街の中心部から約1kmほど離れたところにあり、それもずっと上りの坂道である。
バスを降りて写真を取っていたら、他の乗客は移動してしまい、気がついたらタクシーが一台もなくなっていた。
さて、どうするか。
バスに乗る客を運んでくるのを待つか、歩くか。
私以外に数人のバックパッカーが徒歩で坂道を歩き始めた。
しかたがない歩くか。
キャリーなので、坂道を引っ張っていくのは面倒だったがしかたがない。
炎天下の上、昼間なのでほとんど陰もない。


バックパッカーの後ろについて歩き始めたら、バックパッカーと一緒にいた1人の現地の若者が来た。
「私はガイドです」といって証明書をチラッと見せた。
なんや、うさんくさい奴やな。
私はバックパッカーの方を向いて「彼らと一緒じゃないのか?」
「彼らはテントで行く場所は決まっている。」
「何処に泊まるのですか?」と聞いてきたので、「決めていない」なんて言おうものならコミッションの取れる、彼の勧める「グッド・ホテル」に案内するに決まっている。

とっさに私は「マドリッド・ホテル。すでに予約している。」と応えた。
ホテル・マドリッドは2つ星ホテルで旧市街の城壁沿いにあり位置的に便利そうなホテルである。
シャウエンに来るバスの中で、ガイドブックを見ながらここか、もう1軒の1つ星のホテルにしようか見当をつけていた。
現地でホテルを見て決めようと思っていたが、このような展開を予想していなかったので、とっさにホテル名を言ったのである。
1kmほどの道のりであるが、単純なので1人でも迷うことはないのでガイドなんていらないし、途中、タクシーを見つけたら拾うつもりでいた。
彼は「それではホテルまで案内する」と言って、私の前を歩き始めた。


私は「この街に来るのは2度目だからホテルの場所も知っているし、ガイドはいらない。」とウソをついたが、勝手に前を歩いていく。
何度もいらないという言うのに、ついて離れない。
おそらく私が今回のバスのラストチャンスなのだろう。バックパッカーたちではお金にならないので、私に乗り換えて離れないのである。
歩くこと20分、ホテル・マドリッドに到着。
バス停からまっすく坂道を上り、城壁に当たったら、その城壁に沿って右側に歩いていくだけという、途中、一度もガイドブックを見ることなく行けるほど単純なルートである。

彼は「マドリッド・ホテル!」と言って中に入っていった。
私が後から入って行くと、彼はフロントマンに、私を指差して「彼を案内してきた。コミッションをくれ」と交渉しているが、フロントマンの答えは「ノー」。
彼は、何度も何度も同じことを繰り返しているが結果は同じである。
ゲストハウスじゃあるまいし星付きホテルがハイハイとコミッション払うわけないでしょう。
彼はいらだってきて、ボクに矛先を向けてきた。
「俺が連れてきたと言ってくれ」と「そんなことは知らない。お前が勝手についてきただけじゃないか。それにこの街は来るのは2度目だからいらないと何度も言っただろう。」と突っぱねた。
散々、フロントマンと私に文句を言ったが、最後はフロントマンにホテルから追い出された。

後でガイドブックを見たら「自称ガイドには注意するように」という記述があった。
おそらく彼のことであろう。













さて、改めて交渉。
1泊朝食付きで380DH(約3,500円)である。クレジットカードは使えない。
昨日の2つ星といい、高いなというのが実感である。
なぜなら日本で予約した3つ星のリヤド・アル・アカワインが3,500円、また、この先予約しているマラケシュの4つ星ホテルが3,500円、カサブランカの4つ星ホテルが4,000円程度であることを考えると割高である。
ちなみに今、エクスペディアでホテル・マドリッドの値段を調べてみると2,400円である。やはり星付きホテルは代理店を通したほうが安くなる。
なりゆきで来てしまったのだから仕方がない。
部屋に入るとエアコンが無い。シャワーは温水湯沸かし器である。
「エアコンのある部屋はないのか?」と尋ねたら、「無い」という回答であった。









部屋が朱く染まる天蓋付きベッド













高原の街なので、エアコンは不要なのだろう。
坂道を上ってきばかりなので汗をかいているが、室内は暑いわけではない。
日本から持ってきた団扇であおぎながら休憩。
というか、例のガイドがホテルの近くにいて、はちあわせするのも嫌なので時間つぶしである。
30分ほど経ってから旧市街へ。







城壁をくぐり坂を上ると中心のハマン広場に出た。
カスバがあり、観光客向けのカフェが何軒か営業している。
オレンジジュースを飲み、その後、サンドウィッチとコーラでちょっと遅めの昼食。



ハマン広場へ通じる道

























カスバの横を抜けるとハマン広場







ハマン広場













ハマン広場の一角にあるグラン・モスク


















土産物屋も多い













モロッコで一番気に入ったのが生のオレンジを絞ったオレンジ・ジュース













コーラを頼むとオリーブの実が・・・ビールかワインが欲しくなる
























さて、青と白の迷路に行きましょうか。
ガイドブックの写真で見たように「青」と「白」の世界である。
なぜ青なのかというと8世紀から15世紀までイベリア半島でのレコンキスタ(国土回復運動)の際に追われたユダヤ教徒やイスラム教徒がシャウエンに移り住み、その時にユダヤの装飾である「青」に染められたというが由来だそうである。
濃紺から水色、白まで塗り分けられている。






































写真を撮りながら歩いていると、相変わらず人の写真拒否は変わらない。
塗装作業をしている人を何気なしに撮ったら、気付かれて写真を消去させられた。



























絵本に出てきてもおかしくない世界






1人の少女が上半身裸のバービー人形を見せながらポーズを取ってくれた。













でも、後ろの子供たちからは「no photo」と声が飛んでいた。
他でも子供たちは好奇心いっぱいで撮ってほしいと表情に出ているが、年長者や大人の顔色を窺がっている。





















だんだん道がわからなくなってくる













扉を撮って歩くのも面白い













何を撮っても「絵」になってしまう



































拒否をしないのはネコぐらいである。
撮影しながら歩いていき、石段を下りたり上ったりするとどちらに向いて歩いているのかわからなくなってきた。
旧市街にもホテルもあるが、こんな迷路にあるホテルに泊まったら、ホテルを出たら戻ってこれなくなりそうだ。
それでも街の端まで行き、また広場に戻ってきた。









この亀は何のため











































新市街のマンションの色も

よく歩き、暑いし、へばってしまった。
レンズも交換したかったのでいったんホテルに戻ることにした。



迷子になった夜

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