薬を処方してもらった話


朝、起きると身体が重い。
ヴァラナシのゲストハウスでのエアコン爆発事件の夜、一晩フライファンを回したまま寝て体調を崩して以来、だましだまし旅を続けてきたが、とうとう本格的に風邪を引いてしまったようである。
今回のインド行きでは、「整腸剤」「下痢止め」「胃薬」などそちらの薬をたくさん持ってきていたのだが、風邪薬は葛根湯3袋だけ。それも飲み尽くしていた。



















熱は無いものの、咳と鼻水が止まらない、立つとフラフラする。
「まっずいなぁ。沢木(耕太郎)じゃないのだから、インドに来て病気なることなんてないのに。」と天井を見て文句を言っても始まらない。
そして、ふと思い立ったのがインドの風邪はインドの薬で治すという発想。
幸い薬のアレルギーは無いので、少々の強い薬でも大丈夫だろう。
風邪の症状なら英語でも説明できるし。
そうなると楽しくなり、フラフラしながら着替えてフロントへ。







1階に降りると、昨晩対応してくれたマネージャーがいた。
「風邪ひいて薬が欲しいので、薬局を教えてほしい。」
「大丈夫か?ホテルを出て左手に進み、次の角を左へまがりまっすぐ進むとバザーがある。そこに薬局がある。」と丁寧に地図まで書いて教えてくれた。














そのとおりに行くと1件の薬局が。
薬剤師のオヤジに、「風邪を引いてフラフラするし、咳と鼻水が止まらない。」と症状を説明すると、どれどれと私の脈を取って、おでこに手を当てて熱を測って、「うむ」と言って薬棚からいくつかの薬を出してきた。
「白いのは食前に、黄色と茶色のは食後、瓶は咳止めのシロップだ。咳がひどくなったら飲む。」と説明してくれた。
値段は「262ルピー」(520円程度)。
地元の人からすると高いはずである。








しかし1日分の処方ですか。
日本なら普通3日分の処方なので、1日ということはその分強い薬ということか?
待っている間、お尻をつつかれて見てみると、なぜか野良牛の子供が次は私の番とばかり後ろに立っていた。






薬を持ってホテルに戻り、指示どおり薬を飲んだ。
ただし、どのくらい強い薬か解らないので1回2錠のところを1錠にして様子を見ることにした。
空は今にも泣き出しそうな天気である。
薬を飲んでそのまま旧市街へ向かう。
ホテルから旧市街まで徒歩で約20分。



















朝ゴハンを食べていなかったので、途中でバナナを3本買って食べる。
薬が効いてきたのと食べ物が胃に入ったので、やっと気力が出てきた。



























バナナ売りのオヤジ


















そして旧市街の入り口の門に到着。


土砂降りのピンクシティ

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