西群の寺院再び、そしてジャイプールへ


私は、再び西群の寺院に向かった。
昨日の雨の中で見たミトゥナ像やアプサラス像は、晴れた空の下では雰囲気が変わって見えるだろう。
写真は天気に左右される。
当然、雨と晴れでは被写体の雰囲気が変わる。
昨日の雨の雰囲気も良かったが、晴れた時の雰囲気も撮りたかった。
私が旅のスケジュールをザックリとしか組まないのも、写真を撮りなおす機会を確保しておきたいからである。













さて快晴とはいかないが陽も差しているし、昨日とは違う明るい雰囲気である。
左手のラクシュマナ寺院へ、ここの台座のレリーフが面白い。
様々な性愛の姿が彫られている。
ミトゥナ像やアプサラス像のように精緻さはないが、素朴な分、人の欲望がストレートに出ている感じである。
ファインダーを覗きながら「馬相手はやめたほうが良いでしょう。」と、笑いながら呟いてしまった。































次にミトゥナ像やアプサラス像を見に行くと、やはり陽の光の下では雰囲気がちがう。





































ミトゥナ像は「ちょっと滑稽で隠微な性交」から「アスレチック風、明るい性交」が感じられ、アプサラス像は「しっとりした大人の女の色気」から「グラビア・アイドルのピンナップ」という感じだろうか。
どちらも良いけど、雨に濡れた像のほうが好みかな。






































もちろん晴れているほうが光の回り具合を見ながら撮影できるので、意図に沿った写真を撮ることができる。





































公園を出るとマドラス・コーヒー・ハウスは開店していた。
マサラ・ドーサのブランチ。
一息ついて、隣接するマタンゲーシュワラ寺院へ向かう。
同じ敷地内にあるが、ここは今でも参拝客がある「現役」の寺ということで、有料エリアから外してあるのだろう。













































堂内には巨大なリンガが祭ってある





















































昼前ホテルに戻りチェックアウト。
今日はカジュラホからジャイプールまで一気に移動する。









トラックかと思いきや耕耘機でした


今回の旅を計画するにあたって一番の肝となったのが、カジュラホからジャイプールへの移動である。
まず、エア・インディアでカジュラホからヴァラナシ経由でデリーへ、デリーからキングフィッシャーのフライトでジャイプールへ飛ぶ。
13時55分カジュラホ発17時05分デリー着、19時00分デリー発ジャイプール着20時00分である。
デリーでの乗り換えは2時間弱、日本ではほとんど問題ない乗り継ぎ時間だが、他社便のため、一旦荷物を受け取り、再度、チェックインしなければならない。
それとエア・インディアはディレイが多いと聞くし、間に合わないとフライトの振替も難しい。当初、計画を立てるとき安全策を取って最終便の20時00分デリー発ジャイプール便にしようかと考えた。
そうなるとジャイプール着が21時00分と遅い時刻になる。どうせ空港からホテルまでタクシーで移動するだけなので遅くても大丈夫だろうが、国際線じゃあるまいし3時間も空港で待つのも嫌なので19時00分のフライトを予約した。







さてホテルから空港までトゥクトゥクで約15分、12時30分には空港に到着。
建物に入るとチェックインカウンターは長蛇の列、田舎の小さな空港なうえに、セキュリティ・チェックに時間を取り、さらに手作業で一人のチェックインに時間がかかっている上、ほぼ同時刻に別のフライトがあり、空港内は混乱状態である。
結局、私のチェックインが終わったのが13時50分、待合室に入っても、まだ全員チェックインが終わっていないので搭乗アナウンスは無い。
搭乗アナウンスが入ったのが14時10分、全員が搭乗して離陸したのが14時35分。

身動きの取れないほどの混雑




この時点で40分のディレイ。
「まずいなぁ。このままだとデリーで1時間しか乗り継ぎ時間がない。けっこうギリギリやな。」と口に出したところでどうなるものでもない。
約1時間のフライトでヴァラナシ着。
なんと驚いたことに、ここで1時間のトランジットのはずが、20分でヴァラナシからの乗客を乗せて定刻の出発となった。
つまり40分のディレイを帳消しにしてしまい、デリーには17時00分に到着、結果として5分早着である。
恐るべしエア・インディア。







荷物をピックアップして、ジャイプール便のチェック・インもスムーズに済んだ。
先日のヴァラナシ行きのフライトは早発ということで空港でゆっくりすることができなかったので、カフェでビールでも飲もうかと思い探したが、どこもビールを置いていない。キングフィッシャー(ビール)の看板のある店でも冷蔵庫は空である。
その時は独立記念日はドライデーであることに気がついていなかった。
ビールを飲むのを諦め、ゲートに向かう時に面白いことに気がついた。
それはトイレ。
男女の区別は俳優の写真。それもドアより大きい写真。これは面白い。
ホテルのテレビでも見ていたが、インドの女優ってホントに綺麗だ。

搭乗時刻、バスで飛行機へ。
バスを降りると、目の前に駐まっているのはATR42、50人乗りのレシプロ機である。
「デリーとラジャスターン州の州都ジャイプールを結ぶフライトで、こんな小さな飛行機を使用しているのか。」













搭乗率6割ぐらいだろうか、定刻に離陸し20時00分に定刻に到着。
空港からタクシーで三つ星ホテルのウメイド・マハルへ
フライトが遅かったこともあり、日本で予約して2,500円である。







チェックインを済ませ、ホテルのレストランへ。
ビールを注文すると「今日は独立記念日でドライ・デー」というご宣告。
おかげで私も強制休肝日に、寂しい夕食であった。
レストランに併設のBARも酒瓶をすべて隠し、ライトが落としてあった。


薬を処方してもらった話

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