カジュラホへ


旅に出て7日目。
連日歩き、撮影していると、そろそろ疲れが出てくる頃である。
そのせいか昨晩は22時過ぎには寝て、今朝起きたのが8時。
それでも眠い。



















一昨日のゲストハウスで一晩フライファンを回していた影響が出てきたのか身体が重い。
11時前、チェックアウトをしてゲートまで歩く。



















ゲートを出たところでサジットが待っていてくれた。
昨日、サールナートから戻って来た時、今日の空港までの送迎を頼んだのである。

空港まで約40分。
400ルピーの約束だったがチップを上乗せして500ルピー支払い。
行きのタクシーも500ルピーだったから、気持ちの問題。
予想以上に喜んでくれたので、私も嬉しくなってしまった。







ヴァラナシの4日間はほんとに面白かった。
この地には今回撮ることができなかったガートの風景を撮るために再び来るだろう。



















カジュラホへのフライトは12時35分発ジェット・エアウェイズ。
チェックインもスムーズで定刻通り離陸、サンドイッチの軽食も出て、13時25分定刻通りカジュラホ到着。













とても小さい田舎の空港。
雨が降った直後らしく、緑が濃い。
空港から相乗りのタクシーでホテル・ウシャブンデラで降ろしてもらう。
100ルピー。
ウシャブンデラは1泊2,500円で日本からネットで予約していた。







車を正面玄関につけてもらい降りると、そこは水が溜まっていた。
ホテルの正面でこれですか。
今回の旅は「水」と付き合う旅だな。
この旅行記を作成している今日現在(11月5日)、タイのバンコク洪水、カンボディアのトンレサップ湖やメコン川の増水など東南アジア一帯での水の被害が報道されている。
今から思えば、この夏のインドのガンガーの増水も例年にない多さであった。
秋になり、雨季に入った東南アジア一帯の水の被害の予兆だったのであろう。
原発の放射能漏れなどで地球が怒っているのかもしれない。













広いロビーで立派なホテルだが、ひとけの無いホテルである。
Wi-Fiが使えると書いてあったが、使えないとのこと。
部屋は広いが全体に古ぼけたという表現がぴったりのホテルである。














それでは西群の寺院に行きますか。
ホテルはやや郊外に位置しているので西群の寺院まで徒歩約20分ぐらいだろうか。













カジュラホは規模としては村であり、デリーやヴァラナシと比較すると人も少なく緑の多い土地である。
車の通行は少ないが、あちらこちらで冠水しているため歩きづらい。
とうとう横を通過したバイクに水をかけられてしまった。













私と同じように水をかけられた老婆と目が合い、お互い「濡れちゃいましたね」という感じで老婆は微笑んでくれた。
約20分で、西群の寺院のエリアに到着。
ゲストハウスや商店が並ぶ村の中心部でもある。

道路にはゲートがあり、車やバイクが入れないようにしてある。

























寺院の手前にある沐浴池に多くの人が集まっている。
何をやっているのかと覗きにいくと「ダァーン」と銃声が。
続いてまた銃声。すると観客から歓声が上がった。











































なんとか人の隙間から覗くと、対岸に的が設置してあり、それをめがけて撃つのである。それに当たると観客から歓声が上がる。
射撃大会をしばらく見て、目的の西群の寺院へ。







250ルピー払って入場。
この寺院群は11世紀チャンデーラ王朝時代の建立されたものである。
ここには14の寺院が建っており、その寺院を見るために世界中から人が集まるインドでも有数の観光地の一つである。
私はまず一番左端のヴァラーハ寺院に向かった。そこにはヴィシュヌ神の化身のイノシシを本尊として祭ってある。































その後はこの寺院群の最大の特徴を持つカンダーリャ・マハーデーヴァ寺院へ。
ここはシヴァ神を祭る寺院で、外壁にはミトゥナ像(抱擁する男女)、アプサラス像(天女)などの彫刻で埋め尽くされている。
この寺院には872体のミトゥナ像、アプサラス像が彫刻されている。
写真などで何度も見ているが実物は強烈に目に焼きついてくる、私はしばらく呆けたように見ていた。
ミトゥナ像は有名だが、アプサラス像もそれにまけないほど官能的で美しい彫刻である。
1000年前に建立された建物とは思えない。































































園内のガイド

妹尾河童氏は、『河童の覗いたインド』のカジュラホの章では「このミトゥーナ像はギラギラした太陽の光を浴び、青く澄みきった空を背景に"性の歓喜"を実にアッケラカンと謳いあげていた。」(原文のまま)と表している。
おそらく乾期に訪れたのでそのように感じられたのだろう。
今、雨に濡れて暗い空の下で見るミトゥナ像は少々滑稽であるがエロティックであり、アプサラス像は誘うように官能的であり「女」を感じさせる。それは見事である。



























保存状態は様々、順次、修復しているようである






他の寺院でも同様にこれらの像で埋め尽くされている。
雨が強くなってきた。
これだけ強い降りになってくると撮影にはいささかやっかいである。カメラを濡らさないように撮影を続ける。
雨に濡れた芝生は水を吸ってとても美しい。







































良い表情をありがとう



































































こちらは修復中の寺院













雨も悪くない






















































2時間あまり散策して満足したので、次は東群の寺院へ向かうことにしよう。


東群の寺院へ

表紙へ

海外旅行目次へ