ごった煮的世界


昼ゴハン後も迷路をうろつきガートなどで撮影して、ゲストハウスに戻った。



















































































































自分の部屋によらず、そのまま5階まで上がり屋上へ。
ヴァラナシの街とガンガーを見渡すことができる。
隣の建物では、屋根を猿が走り回っている。































再びガートを目指す。
そのガートは小さく人も少ない。
観光客も数人である。











































建物も水没し、また、通常は観光用の橋だろう、それも水没している。
それでも階段が何段か水没せず残っているので、雰囲気がある。







写真を撮っていると少女が話しかけてきた。
「お花買ってください。10ルピー」
モデル代のつもりで、花を一つ買うことにした。
彼女は紙の船に花びらを盛り、ロウソクに火をつけた。
風で何度も火は消えたが、上手く火が点いたようである。
彼女から受け取り、そっと河面に降ろすと船は下流に流れていった。
ガンガーに捧げるささやかな施しである。































その沖を物体が流れている、数羽の烏がつまんでは降りを繰り返している。
おそらく死体であろう。
聖と俗もすべてガンガーが流している。



河を流れているのは、おそらく死体であろう。







黒山羊さんからの手紙を読まずに食べています。

再び陽が差してきた。
ごった煮的な光景が私の前に展開されている。
何を撮っても絵になってしまうが、注意しないと散漫な写真となってしまう。















インドを象徴する光景







カメラと対峙する強い視線




















































































夕方、再びホテルの屋上。
隣の建物の屋上では、少年がクリケットの練習をしている。
どうやら私に気づいたようで、ちょっと照れている。
レストランの従業員も屋上でお茶の時間である。
空が朱に染まってくると、無数の凧が空を舞い始めた。
隣の建物でも少年達が凧をあげている。
私は『君のためなら千回でも』という小説の1シーンを思い出した。
舞台はアフガニスタンだが、正月の凧揚げでガラスを塗布した糸で相手の糸を切り、最後まで残った凧が勝者という競技である。
そのシーンを彷彿させるほど凧が舞っている。

















































そして陽が落ち、満月が昇った。
22時頃、強い雨が降り始めた。













しばらくするとエアコンの室外機あたりから青い光がスパークするのが見えた。窓を開けることができないので何が起こっているのか解らない。
何度もスパークが飛び、次の瞬間、ドカーン!バリバリ!と音がした。
別の部屋からも「きゃー、恐い。」「Oh!」と悲鳴が上がった。
そしてエアコンは止まり、静かになった。

部屋は停電にならなかったが、エアコンは完全にアウトである。
念のため、エアコンのスイッチは切り、キャリーバッグは蓋を閉めて鍵をかけ、カメラバックにもカメラやパスポート、携帯電話を片付け、サイドテーブルにマグ・ライトと腕時計だけ置いて、夜中に火事が起こってもすぐ逃げることができるようにして就寝した。

まだ雨は強く降っている。


儀式と迷路

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