アンコール遺跡群ツアー 1


アンコール遺跡群やトンレサップ湖の観光について、事前に「地球の歩き方」やWebのカンボディア旅行記を読んで調べてみるとアンコール遺跡群に行くにはツアーを利用するか、個人でトゥクトウゥやバイクタクシーをチャーターして回るという2通りの方法しかないことがわかった。
通常であれば多少割高になっても時間や行き先の融通がきくチャーターする方法を選択するのだか、今回は現地ツアーにしようと決めた。
理由は私の性格である。

遺跡に行くのは好きなのだが、人の営みが無い遺跡はすぐ飽きてしまい写真を撮るだけで満足してしまう。
アンコール遺跡群はアンコール・ワットを始めアンコール・トムなど広大なエリアに遺跡があり、そこを車、トゥクトゥクやバイク・タクシーで移動しながら見ていく。
個人でチャーターして遺跡に行っても、途中で飽きてしまうことは目に見えている。
従って、ツアーに乗ってしまえば団体行動にはなるが、遺跡に関しての説明があるし最後まで拘束されるから、私自身が逃げ出すことも無いだろうし。

また、トンレサップ湖の水上生活者の集落を訪ねる場合、個人で船を交渉すると足元を見られ高くなることもわかった。シェムリアップから湖岸までかなりの距離があるのでバイクタクシーなどで行かなければならないので、その分の交通費も必要である。
以上の理由からツアーを利用することにした。
英語ツアーか日本語ツアーかどちらを選択するかだが、同じルートで、数$日本語ツアーのほうが高いが、ホテルの送迎サービスもあるので、日本語ツアーにした。

さて、8時過ぎ。
朝日鑑賞ツアーと同じアンコール・ホリデー・ホテルのロビー集合である。
GW中はツアー客が増えることもあり、会社指定の場所3箇所に集合することになる。

アンコール遺跡群ツアーだが、ルートは午前中、アンコール・トムを回り昼食、土産物屋によりアンコール・ワット、最後はプノン・バケンより夕陽鑑賞というアンコール遺跡群ツアーの定番中の定番である。
アンコール・ワットは午前中は逆光になるという理由から午後に組み込まれている。
そうだよな、朝日鑑賞ツアーではOKでも、日中のツアーでは写真撮影に影響するから、よく考えてある。
ツアーガイドは、朝日鑑賞ツアーと同じブッティーさん。



ツアーガイドのブッティーさん

「あれっ、このツアーも担当ですか。よろしくお願いします。」
「今日はとても人数が多いです。21人です。」
今度は文句を言う客もおらず、あと2箇所のピックアップポイントで全員揃いツアーは出発した。
ミニバスは満席である。私は、結局ブッティーさんが座るシートを使わせてもらった。
客の内訳、私のような男1人が3人、家族連れ1家族(3人)、OL3人が1組、男2人が1組、男女カップル5組の計21人である。
男1人のうち1人は、朝日鑑賞ツアーで一緒だった人である。



入場券をチェックする係員、この女性、朝5時、私の入場券をチェックした人

バスはまず朝と同じように入場券販売所に寄ってツアー参加者の入場券の購入をした。
朝日鑑賞ツアーに参加した私ともう1人の男性以外は、入場券を購入すべくブッティーさんに連れられて下車した。その間も次々とバスがやってくる。半端じゃない数である。

アンコール・トムへ向かう道は車が数珠繋ぎ状態である。
9時、アンコール・トムの東門に到着。

アンコール・トムは「大きな村」という意味である。
ちなみにアンコール・ワットは「大きな寺」という意味である。
つまり、アンコール・トムは村であり、周囲12kmの壁で囲まれている。



















門の前で一旦下車して説明を受ける、そこにはナーガを引き合う像が、ヒンドゥー神話の乳海撹拌がモチーフである。







そして門をくぐり再び車に乗り移動。
着いたのはバイヨン、アンコール・トムの中心として存在していた。
バイヨンはメール山(須弥山)を象徴化している。メール山は古代インドの宇宙観による神々の聖域であり、また神が降臨する場所でもあった。

































土産物売りでもない、近くに住んでいる少女か






ここは日本が修復に協力している。
アンコール遺跡群の修復には日本だけでなく多くの国が協力している。





































門をくぐりバイヨンに入ると、多くのレリーフがあり、それをブッティーさんが説明する。
私一人であれば、絵になるであろう写真を数カット撮ってさっさと通り過ぎてしまうところだが、彼の説明を聞いていると当時の情景をイメージすることができる。
当たり前のことが面白い。











































そして塔の各所には「顔」のレリーフが、どれもが「クメールの微笑み」をたたえている。
急な階段を上がり、中心部へ。

























そしてブッティーさんが「このレリーフが一番良い表情をしています。」と説明。
どおりで、みんな交代で記念撮影しているはずだ。
たしかに柔らかい微笑みである。







































私が撮影しているとバイクを止めてポーズ


















バイヨンの次は像のテラス、ライ王のテラスなど見た後、バスに乗車タ・ケウなどを車窓から見てタ・プロームへ。

























ここへ入る前に大渋滞、バスを降りて徒歩でタ・プロームへ。













ここは遺跡がスポアン(榕樹)で浸食され、それが自然の造形美を生んでいる。
ツアー同行者は、要所要所でお互い撮影をしたり、ブッティーさんが順番に撮影をしている。
私も頼まれて何組か撮影してあげた。
一眼レフ持って撮影している人に頼みたくなる気持ちもわかる。
でも写真を撮る私が言うのも変な話であるが「みんな記念撮影が好きだなぁ。」
ツアーは、記念撮影に要する時間も組み込まれてスケジュールを調整しているようだ。







しかし植物の力はすごい。







血管のように張り巡らされた木に来た時、ブッティーさんはこう言った。
「ここは、映画トゥーム・レイダースのロケで使われました。」
アンジェリーナ・ジョリー主演のアクション・アドベンチャー映画だったはず、最後のお宝のある場所なのか?記憶が曖昧である。
でも隠されたお宝の最終隠し場所としてはふさわしい雰囲気である。
こういうことはガイドがいないと知らないままである。

アンコール・トムでも気になっていたが、レリーフを宮廷の女性を彫ったデバター(アバターに非ず)は、一体いったいモデルが違うということである。
特にここのデバターは表情が柔らかくとても美しい。















犬と遊ぶ少女。近所の子か?



















兄弟と妹



















土産物売りの少年も必死

約1時間の見学の後バスに戻る。













昼食の前に土産物店「アンコール・クッキー」に寄った。
ここのオーナー、マダム・サチコ氏はカンボディア人雇用の増やすための事業として運営している。
かなり前に新聞の特集で取り上げられていたし、テレビでも番組で紹介されていた。「カンボディア」というキーワードで覚えていたのである。
日本人ツアー客向けと言っても良いだろう。
多少割高かな、ツアー会社にもバックマージン払っているだろうし。
でも、日本人が土産として持って帰りやすいような量、ラッピング、値段とよく考えている。


その後、ツアー会社が経営するゲストハウスに併設された食堂へ。
昼食代はツアー代に含まれている、ただし飲み物は別。
10数名ずつ座れるテーブルが2組。
一つには何となくカップルばかりが座り、それ以外がもう一つに座ることになった。
共通の話題はツアーのことしか無いので午前中の感想を話しているうちに料理が出てきた。
オーソドックスなカンボディア料理でそれなり美味しかった。人数が多いので種類が食べられるのも嬉しい。

























私はテーブルの一番左端に座っていて、対面には私と同じ男一人の参加者。
私の右隣は男2人で参加している方のイケメンの若い兄ちゃん。
対面には、もう片方の30代半ばぐらいパッしない男。(スミマセン、他に表現思いつかないもので。)
食事も終わって、集合時間まで30分程ある。

若い兄ちゃんがボクに尋ねた。「ホテルが近いので、汗かいたので着替えに戻ろうと思うのですがどうでしょうか?」
私に聞かれても困るのだが「集合時間までに戻ってくれば大丈夫じゃないですか。」と答えた。
「わかりました。」と若い兄ちゃんと相方は出て行った。
その時気がついた「あっ、そうか。ゲイのカップルか。」
友人同士にしては年離れているし、先輩後輩でもなさそうだしと思っていたが、この発想でストンと腑に落ちた。
午前中もお互い写真を撮りあっていたりしたなと思い出し納得。







そして出発時間。例の男2人組も着替えて時間内に戻ってきた。
それでは午後の部スタート。



アンコール遺跡ツアー 2

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