LCCで台北へ


LCC(ローコストキャリア)、日本語で格安航空会社。
格安航空会社は効率化の向上によって低い運航費用を実現し、低価格かつサービスが簡素化された航空輸送サービスを提供する航空会社である。

ヨーロッパやアジアでは数多くのLCCが設立されサービス網を広げているが、日本では一部のセブ・エアーやチェジュ航空など数社が就航しているのみであった。
昨年、ジェットスター(アジア)、エア・アジアや春秋航空の日本への就航や、全日空がLCCを設立すると発表したことにより、「LCC(格安航空会社)」が一般に知られるようになった。

私はアジアやヨーロッパによく行く割には、不思議とLCCには縁がなかった。しいて利用したと言えるのは、2002年のパリ-ロンドン間で利用したブリティッシュ・ミッドランド航空(bmi)であった。
bmiはLCCではなかったが、イージージェット(easyjet)などに対抗するために格安の運賃設定となっていたのを利用したぐらいである。

そのLCCの一社、ジェットスター(アジア)がシンガポール-台北-関西空港に就航するというニュースがリリースされたのは2010年5月のことだった。
最安値で関空-台北、片道6,000円、関空-シンガポール、片道12,000円である。
関空-台北往復で最安値12,000円、サーチャージや空港使用料を含めても1万数千円程度。伊丹-羽田の片道フライトと変わらない値段である。
座席のシートピッチが狭い、映画などのアメニティーが無い、飲食物や毛布が有料などとなっているが、それを差し引いても6,000円という運賃は魅力である。


7月5日、関空就航。
就航前からジェットスターのホームページをチェックしてみたが、国土交通省の認可待ちで正式な運賃は発表されていなかった。
その当日、関空-台北間の片道2,000円という就航記念のバーゲンチケットがインターネット上で販売された。
私がサイトをチェックしたのは夜だったので、連休や土日など良い日はほとんど売れてしまっていたが、10月後半や11月中旬で土日を挟む3日間で売れ残っているチケットを見つけた。
3ヶ月以上先なので、予定が見えないので買い控えられたのであろう。

私も、この時期の予定は見えていなかったが、往復4,000円と経費併せて10,000円程度でなので、いざとなればキャンセルしても、諦められる金額である。
結果、11月19日発、11月21日戻のチケットを購入した。
11月19日、予定通り出発できることとなった。







17時関空発、19時台北着、ジェットスター522便。搭乗時間3時間。







搭乗し着席すると噂どおり狭い、多くの座席を設置するためにシートピッチの間隔を詰めているので、足も組めない。リクライニングも無い。
シートポケットにはファミレスで使っているようなメニューが挟んである。







ページを繰ると食べ物から飲み物まで、それなりの品揃えで、ビールはタイガービールが1缶5S$(シンガポールドル)である。
また、機内へは飲食物の持ち込みができないルールとなっている。
満席の客を乗せ、10分程度遅れて離陸。
水平飛行になってから、iPodで音楽を聴きながら本を読み始めた。通勤電車の感覚である。

そのうち機内販売が始まった。
飲食物は持ち込めませんのアナウンスが流れると、隣の私と同年齢ぐらいのカップルは、缶ビールを紙袋に隠して、つまみはカバンにしまって見えないようにした。
それが可笑しくて。気持ちはわかる。
私も持ち込み禁止のルールを知らなかったら、間違いなく搭乗前に売店でビールやつまみを買っていたはず。

私は、タイガービールを注文した。
「日本円で変えますか?」と訪ねると「はい、300円になります。」。
そのビールを飲んでいると、隣のカップルが、つまみを分けてくれた。
「あっ、どうもすみません。ありがとうございます。」これで共犯である。

シートピッチが狭く、リクライニングが無いというのはけっこう辛いものがある。
4時間ぐらいが限界かな。

逆に1~2時間程度であれば、利用価値は高くなる。
全日空が、2011年秋に設立するLCCは、関空を中心にして国内線を就航予定である。例えば現行の関空-那覇の往復60,000円の運賃が、仮に20,000円となれば利用価値は大である。

19時過ぎ、桃園国際空港に着陸。

たしか市内までエアポートバスで1時間程度のはず。
とりあえず20,000円を両替した、1台湾ドル(TN$)が2.7円である。
台北駅までのバス代は150TN$なので400円程度。
意外に安い、韓国や香港の1/2ぐらいの感覚か。
バスは約1時間で台北駅に到着。
もう21時を回っている、かなり遅くなった。







ホテルは、到着が遅くなることもあり日本から予約していた。
オレンジ・・ホテル。地図を見ると、台北駅から徒歩数分で、オープンして間が無いことと宿泊費が5,000円程度と安いこともあり、このホテルにした。

さほど迷わず無事ホテルに到着。
部屋は予想どおり新しく、大通りに面しているにもかかわらず高層階なので車の騒音も気にならない。

機内でビールとつまみだけだったので、お腹がすいた。
早速、街に出るが22時を回っていることもあり、開いている店が少ない。
コンビニばかりが目立つ。

それでも一軒開いている麺屋に入った。
テレビでも紹介された有名な店のようで、壁面にテレビ出演の時のスチール写真が何枚も貼られている。
当たり前のようにメニューを日本語で説明され、私も日本語で、店のお勧めの牛肉麺を注文。
ちょっと辛めのスープに牛肉と平麺、お腹がすいていたこともありとても美味しかった。麺とビールで150TN$。

ホテルの隣に、24時間営業のマッサージ屋があったので、30分ほど足裏マッサージをしてもらい楽になった。
マッサージは300TN$。
自分で材料を選んで、それを炭火で焼いてもらう店で、3本ほど焼いてもらい、向かいのコンビニでビールを買ってホテルへ戻った。
1本10TN$から、ビールは25TN$であった。







このような物価の安い国を旅するのは久しぶりである。

明日は郊外に行ってみましょう。


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