毎日がお祭り


夕方、なんとか体調も戻り、日没を何処で撮ろうかと思案の末、ナヴォーナ広場へ向かった。



















予想通り、大道芸や似顔絵書きなどのパフォーマンスで賑わっている。
そして人々が思い思いの時間を過ごしている。





















































































やはり私は、人のいない遺跡より、人のいる街中のほうが好きだな。

























あれっ、君は昼間はポポロ広場にいなかったっけ?



















テルミニ駅に戻るバス停で、背中に「目標」と刺青を入れた若い女性がバスを待っていた。それにしても「目標」とは、意味を知っているのかな。
彼女がタバコを銜えて火をつけた時、目的のバスが到着した。
二口程吸って、石畳でタバコを消して箱に戻しバスに乗った。
ヨーロッパはタバコが高いからね。







晩ゴハンは、昨日飲んだハウスワインの白が目当てで同じ店へ。
3日通えば、もう顔なじみ。
ワインを一口、やっぱり美味しい。













隣のテーブルには親娘が座っている。
母親は40歳前後だろうか、娘は高校生ぐらいである。
この親娘、ほとんど会話がないというか、固い表情である。
2人前には前菜が一皿ずつ。
テーブルの中央には1Lのミネラルウォーターが一本。
母親が話しかけるが、娘は下を向いたまま返事をしない。
隣に座っている私のほうが気になって緊張してしまう。
30分ぐらい経っただろうか、母親の問いかけにポツリポツリと娘が話し始めた。
そして料理を一口食べた、それを見て母親は安心したのか自分も料理を食べ始めた。
それでも会話は途切れがちであり、一口食べては黙り込む、またポツリと話す。
それの繰り返しであった。
実は、この親娘の写真を2カット撮っているのだが、アップするのは止める。
隠し撮りなのもあるが、それ以上に母親の苦悩の表情がリアルに写っているため、私のほうが辛くなってしまう。
親子の表情から、あまり明るい話題ではないことは推測できた。
結局、その親娘は前菜とミネラルウォーターだけで店を出て行った。
私にとって、えらく疲れたイタリア最後の晩餐となってしまった。







ホテルに戻って荷物整理をする気にもならず、財布とコンデジだけ持って再び外へ、途中缶ビールを買って、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂前の噴水へ。
何人かのグループが楽しそうにビールやワインを飲んでいる。
その中には少女が一人、そのグループのメンバーかと思ったがそうでもなさそうだ。
グループのメンバーも少女もとても楽しそうだ。
しばらくすると少女の母親が迎えに来て、少女は手を振りながら去っていった。



















それだけでも先ほどの重い気分が軽くなった。
明日は帰国。


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