バチカン再び


8時30分、地下鉄オッタビアーノ駅からサン・ピエトロ大聖堂へ向かう。
まだ朝も早い時間なので観光客もまばらである。







今朝の目的地はサン・ピエトロ大聖堂ではなく、バチカン博物館。

この旅行記の最初にも書いたが、ガイドブックに「ベストシーズンの入館の行列は不可避である。」との記述を読み、ネットで日本出発前に8月18日9時入館で予約を取った。入館料15ユーロ+手数料4ユーロをクレジットカードで決済。
http://mv.vatican.va/
昨年、グラナダのアルハンブラ宮殿について、ガイドブックに「予約を入れていないと当日入れないこともある。」という記述があり、それを信用して出発前にネットで予約したおかげでスムーズに入場できた。
この経験から、今回も迷わず予約をいれた。

サン・ピエトロ大聖堂から城壁沿いに博物館に向かっていると開館前にもかかわらず、2〜300mの列ができている。
文字通り長蛇の列である。
ガイドブックの記述は大げさではなかった。
列と道路の間の狭い通路を抜けて、博物館へ。
入館し予約のプリントアウトを見せると、すぐに入場券と引き替えてくれた。

開館したばかりであったので、まだ入場者も少ない。













6年前にも一度来ているが、その時は多くの美術品に疲れてしまい落ち着いて見ることができなかった。
今回は、ラファエロの作品などを落ち着いて見るため、行くことにした。































まだ人の少ない館内をゆっくり見て歩く、ここの収蔵品はバチカンの権力の象徴でもあるので、上質の美術品が数多く展示されている。
館内は比較的撮影が自由なので、私のように写真を撮りながら歩いている人も多い。
ただし、タペストリーの展示エリアは、撮影は可能だがストロボ発光禁止である。
外光が直接入らないのでやや暗くなっている。
私の前をアメリカ人の団体がいたが何人もデジカメのストロボを光らせて撮影している。
オート設定だと暗くなると自動発光してしまうので、1回目は気づかないというのはあるが、ガイドが止めているにもかかわらず、何人かは何回も撮影しているのは意図的でありマナーが悪い。
その団体の横を通り過ぎた時、ガイドが「アメリカ人はマナーが悪い!」と憤慨しているのが聞こえてきた。























そしてお目当ての一つ、ラファエロの間へ。
ローマ教皇ユリウス2世に仕えた時に4部屋にフレスコ画を描き、その部屋がラファエロの間と呼ばれている。
そこの1面に描かれているのが『アテネの学童』。


















幅8mの壁に50人のギリシャの賢人が描かれている。
中央の2人、左がプラトン、右がアリストテレス。
左のプラトンのモデルはレオナルド・ダ・ビンチ、また正面下のペンを持って考え込んでいるのがヘラクレイトスで、モデルはミケランジェロ。
そして右端にはラファエロ自身を描いている。
前回来たときは、この部屋は多くの観光客で押すな押すな状態だったので、落ち着いて見ることができなかったが、今日は、開館直後のためゆっくり見ることができる。
『神殿から撃退されるヘリオドロス』など他の作品も見ていると、ラファエロは神に愛された天才であることを実感する。

そして、システィーナ礼拝堂へ。
ここは撮影禁止なので撮影は不可。
薄暗い礼拝堂に入り天井を見上げる。
「アダムの創造」「イヴの創造」「楽園追放」「ノアの洪水」「リビアの巫女」など旧約聖書の1シーンが迫ってくる。
そして壁面の「最後の審判」。
もう一人の天才、ミケランジェロの仕事である。
あまりにも有名すぎる一連の壁画も見るためだけに来る価値がある。
その後、絵画館も巡り、もう満足。































外に出ると、とんでもない長い行列は変わらず。
そしてサン・ピエトロ大聖堂へ行ってみると、こちらも大行列。
サン・ピエトロ広場の半分にも達しようかという長さである。
サン・ピエトロ大聖堂に入るには、空港にある荷物のX線検査と同じような検査機に荷物を通さないと入れない。
「こりゃだめだ。明後日、帰国前に来よう」と、アッサリと諦めた。





































サン・ピエトロ広場から西へ向かいサンタンジェロ城へ。
城の手前の橋にはベルニーニ作の天使像が何体も並んでいる。




































































美術品でお腹いっぱいになったので、次はスペイン広場へ。
あまりにも有名な場所であるが、人が集まる場所は、良い被写体の多いところでもある。
スペイン広場からポポロ広場まで移動し、遅めの昼食。

















































広場周辺のカフェで昼食を取ったが、高くて美味しくないパスタだった・・・残念。
それと写真を撮ることに気を取られていたため、肝心のサンタ・マリア・デル・ポポロ教会に行くのを忘れてしまった。
結局、そのため翌日もポポロ広場に行くことになる。
























































さて、一旦ホテルに戻りましょう。


美酒 へ

表紙へ

海外旅行目次へ