すべての道はローマに続く


旅も後半、今日は14時のInter Cityでローマに向かう。
午前中どこへ行こうかなと、エクスプレスを飲みながら思案。













宿の主人に「郊外の町で、観光地でない街に行ってみたいのだけど。」と相談したところ、
「絶対に行くな。カンパニア(ナポリを含む州)は失業率が高い。まだ、ナポリは都市で働くところはあるが、郊外は失業率が高いので、若者に仕事がなく昼真からブラブラしているので治安がとても悪い。おまえのような観光客が行けば狙われるだけだ。」とまくしたてられた。
もっと、長い話だったが、要約するとこのような意味となる。

























昨日のスペイン地区の忠告と同様、大げさな気もするが、これまでも何度か引ったくりや掏摸に遭ったが、幸い未遂ですんでいるので、わざわざ狙われに行くこともあるまい。ここは、主人の忠告に従うことにした。













それでは、サン・マルテーノ美術館でも行きましょうか。
ここはもともと修道院だったところで高台にありナポリ市内を一望できるらしい。
スパッカ・ナポリを通ってダンテ広場まで歩いている時、正面から来る親子、「良いなぁ。」とカメラを向けたところ、私に気がつき笑ってくれた。
3枚撮ったうち、すれ違いざまに撮った一枚が一番良いカットでした。
ありがとう。

王宮前からバスを乗り継いでサン・マルティーノ美術館に到着。
バスを降りると、眼下にはナポリ市街が広がっていた。
その風景を見ていると「美術館はもういいや」という気分になってしまい、結局、美術館には入らずじまい。
ナポリに来てからポンペイも含めて毎日、美術館、博物館に行っているのでいささか飽きてしまったというのもある。
結局、30分ほどナポリ市街の眺望を楽しんだ後、フニクラーレの駅まで歩いて行った。























































フニクラーレに乗って発車を待っている時であった、車内の写真を撮ろうとカメラを持った時、ズームレンズのフードに手が当たり、フードが床に落ちた。
そして、フードは転がって、車体とホームの隙間から落ちてしまった。
「あらら、君はナポリに残りたいのだね。」と、呟いてしまった。













王宮前に出て、そこから、駅まで戻るバスの中で、40代ぐらいの男性2人組が、私の横と後ろに立った。
自然なように見えるが、さほど混んでいない車内で、わざわざ私の近くに2人の男が立つのが不自然。
カメラはバッグの中、財布はいつものようにチェーンをつけてポケットのファスナーは上げてある。
隣の男が、何となく私に触れてくるが、そちらに気がとられるふりをすると、後ろの男がポケットに触れようとする。
もうバレバレ、カメラバッグを横から前に動かして、ポケットを上から押さえるようにすると諦めて離れていった。
あながちホテルの主人の言ったことは大げさでは無いな、と実感することになった。













Inter Cityは14時にナポリ駅を出発。

2等車のコンパートメントは6人がけで、隣の親娘は、ずっと携帯で誰かと話している。
約2時間でローマ、テルミニ駅に到着。



















駅近くのホテル街にあるホテル・キャピタルへ、2つ星だが、前回泊まって良かったので、出発前に予約を入れていた。







ホテルもすぐ見つかりチェックイン。
ホテルの前の道路は工事中だが、バカンス中で工事は中断しているので車が入れないようになっている。これはラッキー、静かな夜を過ごせそうだ。
荷物を置いてテルミニ駅へ、インフォメーションに行きローマ・パスを購入。
これは市内交通機関3日間のパスと、市内の美術館など最初2カ所の無料入場と3カ所以降は割引となるパスである。
明日から3日間は、このパス一つで移動ができる。







もう17時過ぎ、美術館などはすでに閉館しているので、ホテルの近くのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂へ。
ここは17時45分まで入場できる。
この大聖堂は、ローマの4大聖堂の一つであり、敷地はバチカン市国に属している。





































中に入ると夕方の斜光線が教会内を照らしている。
いつものように祈ってから写真を撮り始めた。
神社仏閣、教会で撮影するときは、手を合わせるか、祈ってからにしている。
「おじゃまします。撮影させていただきます。」という私なりの挨拶である。







19時過ぎ、何処で晩ゴハンを食べるか考えつつ歩いていた。行ってみたいリストランテはバカンスで休み。
その後、何気なく歩いていて、トラットリアの前を通りかかると、キレイなお姉さんから「いかが」と誘われた。イタリア時間では晩ゴハンには早い時間だが、店内はそこそこ人が入っているし値段も妥当なので、お姉さんの誘いに乗ることにした。













ずっと白ワインだったので、ハウスワインの赤を注文。
それに前菜の盛り合わせとブケティーニのアマトリーチェ風を注文。
魚ばかりだったので、久しぶりの肉料理。







料理が来るまでの間、ワインを飲みながら、お姉さんを撮らせてもらった。

そんな変な顔しないで。

そうそう、素敵な笑顔ですよ。
料理の味は、値段相応でしょうか。





























































外に出ると日没の時間。








夜のサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂前の噴水でビールを飲みながら涼んでいた。
なんか気持ち良い夜。
明日はバチカン。
旅も最終章。


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