承前〜出発


「今年のラマダンは8月10日からだって!?」
このことを知ったのは6月中旬のことだった。
GW明けに、8月7日出発のカタール航空、ドーハ経由カサブランカ行きの予約を取っていた。
初めてのアフリカ大陸行きなので楽しみにしていたが、ラマダンに当たるとは。
私の意識の中から抜け落ちて、まったく想定していなかった。
ラマダンとなると日中、飲食もままならない。異教徒だから飲食はできるはずなのだが、店が閉まっていることも多いし、水を飲むにも気を遣わないといけない。

夏場は辛い。昨年のイベリア半島でも、どれだけ水を飲んだか。
人々の日中の活動も鈍くなるので写真を撮るのもままならないかも。
「やめるか」「それでも行くか」と悩んだが、やはりモロッコはあきらめることにした。
泣く泣くカサブランカ便はキャンセル。

で、昨年もイベリア行きでお世話になった高槻のH.I.S.へ。
行き先も曖昧なので代理店の窓口で相談したほうが早い。
幸い、担当者は私のことを覚えていてくれたので、早速相談。

条件は「関空発」「ヨーロッパ方面」「できればスター・アライアンス系」。
昨年同時期のユーロは135円、今年は115円まで安くなっているし、カサブランカ行きの気分になっていたので、アジアではなくヨーロッパ方面かな。
中東はイスラム教なので当然除外。
ウィーンを中心とした旧東欧エリアか旧ユーゴ、南仏あたりで、関空発のフライトを調べてもらったが、安いチケットはことごとく満席。
「ogawa様、8月9日のアリタリアのローマ便なら3席残っています。」
ローマ便と聞いて、とっさに「シチリアに行くフライトの接続あります?」。
「シチリアへはカターニア行きとパレルモ行きがあります。パレルモが1時間後、カターニアが1時間30分後です。」
「どっちが中心でしたっけ?」と、おバカな質問しながらパレルモ便を押さえてもらった。
モロッコ行きが最終、南イタリア行きとなって決着。
ルートもおのずとシチリア・インのローマ・アウトである。
イタリアは6年ぶり、そのときはフィレンツェを中心としたエリアだったので、今回は南である。

7月中旬、ガイドブックを購入し、大まかなルートを作成。
シチリアは3泊、ローマ3泊とすると、残り5泊をどう割り振るかを考えて、1泊は列車は船で移動、残り4泊はナポリを中心に動くということにした。
アルベロベッロに行けるかなと思ったけど、シチリアからだと時間がかかりけっこう面倒なので断念。
今回も目的地到着が深夜になるのでホテルの予約も必要である。

ホテル予約をどうするか?到着日1泊だけにして、翌日、現地でホテル探しをするか、パレルモ滞在中の3泊分を予約するのか。
3泊のほうが、行動するうえでは楽なのだが、過去にネット予約でとんでもない悪条件のホテルに当たったこともあるので慎重に考える。
結局、幹線道路から外れたところで三つ星クラスのホテルを3泊、それとローマのホテル3泊予約をいれた。
ローマのホテルは6年前泊まったホテルなので雰囲気がわかっているので大丈夫だが、パレルモは賭けだな。

バチカン博物館は前回は10月後半の観光シーズンを外した平日だったので待たずに入れたが、今回はオンシーズン、ガイドブックを読む限り、予約をしていないとかなり並ばなければ行けないことが書いてある。
ということでバチカン博物館をネットで予約。こちら→http://mv.vatican.va/


8月9日、アリタリア航空のチェックインカウンター。
「ogawa様、本日のフライトは満席でございまして、申し訳ありませんが、ご希望の通路側の座席をお取りすることはできません。また非常口前も満席となっております。」
「えっ、2時間前なのにもう無いのですか?」
「申し訳ございません。」
通路側でないとトイレに行ったりするのに隣の人に気を遣わないといけないので、いつも通路側を予約するのだが、参ったなぁ。
結局、真ん中のシート、この席で12時間か。


ローマ便AZ171便は定刻どおり離陸。
私の左隣の人の座席前モニターが作動しないので、その方はipodで音楽聞きながら本を読んでいる。
昨年のルフトハンザではこのようなことがなかったが、さすがイタリアの航空会社と笑ってしまった。
両隣に人が座っている窮屈さを感じながら、ガイドブックのシチリア編を読み行動予定をたてて、映画を見ていたら定刻通りローマ着。







相変わらずパスポートを「見る」だけの入国審査。













そして1時間の乗り継ぎでパレルモに到着したのが21時過ぎ。荷物をピックアップして空港を出たのが21時30分、パレルモ駅行きのバスに乗ったのが22時、パレルモ中央駅に到着22時45分。タクシーもメーターどおり走ってくれてホテル到着23時。
トラブルも無く無事到着。
ただ、ホテルの周辺でBARでも行こうかなと思ってたが、店がすべて閉まっていたので断念。
おとなしくシャワーを浴びて寝ることにした。

ともかく無事到着、長い一日だった。


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