フィリピンって!?


「マニラ湾の夕陽は世界一美しい。」という話を、安宿のドミトリーで聞いたことがあるし、旅行記でも何度かそういう文を読んだことがある。
こういう世界一はいくつあっても良いと思うけど、フィリピンかぁ!?というのが正直な感想だった。
その頃は他にまだまだ行きたい国があったし、ニノイ・アキノ上院議員の暗殺やジャパゆきさんや売春ツアーの話など「政」と「性」がネガティブなイメージだったので積極的に行きたいという国ではなかった。

以来、20年以上が経った。

ある日、タイ航空でバカ安のチケットが売り出されているのを発見。
5月後半なら仕事も落ち着くので1日ぐらい休みが取れそうなので、2泊3日ならいけそうだ。関空発10時30分、13時40分マニラ着、帰りはマニラ14時20分発、関空着19時40分。
マニラでの滞在時間も、まる2日ある。都合悪くなればキャンセルすればいいさと気軽な気持ちで予約をいれた。

幸いにも予定通り仕事も片付き26日の朝、関空に向かった。

たかだか2泊3日なのでアチコチ回るという事もできないし欲張っても何もできないので、滞在はマニラのみ。
マニラ湾の夕陽、ジプニー、教会の3つを見ることができれば良しとしよう。
乾季と雨季の端境のなので夕陽は拝めないかもしれない。

関空到着。
オフシーズンなのでガラガラだと思っていたら、修学旅行などの団体が多く、けっこう混雑している。
マニラ経由バンコク便のゲートへ。
待合室で乗客を見ていると、フィリピン女性数名に取りまとめをしているようなオヤヂ一人のグループや、カジュアルな格好やゴルフウェアの中年オヤヂの一人というのが目立つ(ああ、私もそのうちの一人か(^^;;)、あとはスーツを着たビジネスマンがチラホラ。若い日本女性の2人組なんて見当たらない。
搭乗率は3割ぐらいでガラガラ。

3時間半でニノイ・アキノ・インターナショナル・エアポートに到着。
近いもんだ。
ブリッジを渡って空港に入ると、香港の啓徳空港やバンコクの改装前のドンムアン空港のような、一昔前のアジアの空港という雰囲気。
通路の両側に免税店で、天井が低く、通路が狭い、空調は効いているんだけど、どことなく熱気が流れ込んできている。
入国審査はメチャクチャ混雑、手荷物もないのに空港を出るまで30分以上かかった。

この空港は、市内に行くのに公共交通機関が無い。
空港の外の一般道に出て路線バスかタクシーを拾うぐらいしか手段がない。
唯一、エアポートタクシーが定額制で交渉なしで乗れる手段である。
迎えの知人も無く、初めてこの国に来る私にとって唯一の手段である。
しかし他に手段が無いとはいえ540ペソ(1円=約2.7円)は高いなぁ、後でフィリピンの物価を知るとなおのことであった。

約30分かかって市内へ。
交通渋滞もひどいは。
タクシーに乗るときにアタリをつけておいたエルミタ地区のロータス・ガーデン・ホテルへ。
シングルは一杯だが、ツインのシングルユースは空いているということで、この宿に決めた。


今回、出発前にマニラを含めネットで情報を調べるようなことはしなかった。
マニラしか滞在しないし、なんでもかんでもネットの時代、これぐらいアナログでもいいでしょう。

マニラ・・・正式名称はメトロ・マニラ。
市や区の集合体でマニラ圏とでも訳せばいいのかな。

ホテルに荷物を置いて街を歩くことに。
教会の近くまで来たら若い女性の2人組に声をかけられた。ガイドブックにも書いてあった睡眠薬強盗であろうと推測がついた。
歩き出して5分もたたないうちに、道路の反対側からわかりやすい英語で声をかけてくるなんて・・・ナルホド。
「一瞬、なかなかカワイイ。撮らせてもらおうかな。」と思ったけど、来たばかりで土地勘も無いし無用なトラブルを引き起こすこともなかろうと自重。無視して教会へ。

フィリピンは、16世紀にスペインに占領された影響で国教がキリスト教のカソリックという東南アジアでは珍しい宗教となっている。

教会に入ろうとすると中から賛美歌が、「あれっ土曜の夕方でもミサをやっているんだ。」。
異教徒が入るものではないな、と早々に退散。

じゃあ、マニラ湾にいきましょうか。
と言っても、5分ぐらいの場所だが。


マニラ湾の夕陽

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