ヒンドゥーとムスリム



シンガポール駅で朝ゴハンを食べながら、今日はどう動こうかと考える。

「今晩のフライトか・・・」
列車と飛行機の車中での2連泊。

シャワーも浴びたいし、やはり寝不足、それに荷物も預けたい。
「やはりホテルのデイ・ユースにしよう」とタクシーでベンクーレン・ストリートへ。

もう20年以上前だが初めてシンガポールで泊まったのが当時の安宿街であったベンクーレン・ストリートであった。

それ以降シンガポールでは、ラッフルズやリッツ・カールトンなど結構贅沢してベンクーレンに寄ることもなかった。
もともと安宿街だから、それなりにホテルがあるだろうという理由だけであった。
適当なところでタクシーを停めてもらった。

すっかり様変わりして安宿街という雰囲気はまったくしない。
降りた目の前のホテル・ベンクーレンにそのまま入りチェック・イン。
ちょっと高かったけど、まっ、いっか。

シャワーを浴びて、一眠りしてスッキリした。
シンガポールは行きたいところが無いので、しばし考えた。

フィッシュヘッド・カレーが食べたくなったのでリトル・インディアに行くことにした。

今回の旅行で初めて「東南アジアの晴れて暑い」日差しの中リトル・インディアを歩いていた。

中国系人種が大半を占めるシンガポールでも、ここだけは人種も匂いもインドである。

目的の店は「バナナ・リーフ」
フィッシュヘッド・カレー・・・文字通り魚の頭のカレーである。

もともと廃物利用だったのが、シンガポールの名物となってしまった料理である。
でかい魚の頭のカレーを目玉など指でほじりだしながら食べる・・・兜煮など魚の頭を食べる日本人にとっては抵抗の無い料理である。
スパイスが効いていて美味し。

リトルインディアから隣のアラブストリートへ。

今までも何度もこの前を通っているのにモスクに入ったことがないなと入り口まで行くと「観光客は入場お断り」としっかり書いてある。
しかたがない、あきらめるか。

モスクの向かいの店でチャイ飲んでいた、店員は全員ムスリムなのだろうがアラブ系もインド系も混在していた。

マレーシア、シンガポールはマレー系、中国系、インド系の人種それぞれが住み分けている。

昔は華僑の男性とマレーの女性の結婚というケースもあったが、それがババ・ニョニャと呼ばれる人たちである。

それも今は異なる宗教同士の結婚はありえないということである。だから混血することなく住み続けているインド系やアラブ系など人口比率は少ないのだがとても目立つ。
頭ではわかっていることだけど、見たり体験したりすると納得できる。
旅に出るとはそういうことかもしれない。

そうこうするうちに14時をまわった。
ラッフルズホテルに行きますか。



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