石垣島から竹富島へ


2021年4月24日から5月12日まで大阪に3度目の緊急事態宣言が発出された。
そして緊急事態宣言が5月31日まで延長になった。
5月15日現在、感染力の高いコロナウィルスの変異種による感染が拡大し、一方ワクチン接種は何時になるのか予測がつかない状況である。
国内旅行もも各自治体の知事が「自粛」と発言して先の見えない状況である。
実は2月に「GoToトラベルキャンペーン」を利用して、八重山に行く予定であったが、緊急事態宣言が発出されキャンセルしたのである。
キャンセル料もかからず全額返金された。
3月中旬、ANAタイムセールで関空-石垣、片道8,600円というバーゲンチケットが販売されたので5月5日発、5月8日着のチケットを予約した。
キャンセルしても全額返金されるし、流石にGWには落ち着くだろうという予想していた。
ところが予想は大外れ、まん延防止法が発出されても感染者数は収まらず、上記のように緊急事態宣言が発出されてしまった。
さて、どうする。
いつも撮影中心なので人と一緒に行動することはない。飲食は注文以外会話することもない。宿泊もシングル。グループで宴会旅行するわけではない。
沖縄県は、まん延防止法の対象は沖縄本島だけであり、昨年のように玉城知事から来県は控えて欲しいという発表もない。
宿に電話をしたら「一人でもいいから来て欲しい」という言葉が返ってきた。
感染防止対策をして行きますか。
やはりこの1年、このような生活に膿んでいたし、写真撮影の仕事が緊急事態宣言のためキャンセルが続き気分転換したいのもある。
家族と限られた友人だけに知らせて行くことにした。
GW後半、知事から「沖縄来県は控えて欲しい」と発言があったが、もう出発を決めているのでスルーした。(後日、当の知事がGWに家族とBBQをしたことで謝罪していた。)
ともかく大手を振って出かけられる状況でないのでおとなしく(苦笑)

5月5日、雨が降り出す前にJR高槻駅から6時34分発はるか3号で関西空港に向かった。
はるかに乗るのも2019年8月以来である。
車内は予想どおりガラガラであった。
7時47分関西空港到着。
空港のゲート前の国際線出発案内は台北など3便のみ。なんとも寂しいものである。
国内線ラウンジは緊急事態宣言の要請を受けアルコール提供はなし。

空港内はガランとしている。
もともと関空の国内線は国際線の接続、大阪国際空港の補完などの役割が強いためフライト数はさほど多くない。
その上、欠航が出ているため余計に人がいない。
石垣行NH1747便は搭乗率4割ぐらいだろうか。
服装を見ると観光客のみである。
機材は737-800。

私は非常口のシート15列は私のみ、14列は誰も座っていない。
この列は足下が広いため人気がありすぐ予約で埋まるが、ここまで空いているとは。
出発前には何席か予約が入っていたがキャンセルしたのだろう。

土砂降りのなか定刻に離陸。
今日は日本列島に前線が延びているため気流は不安定である。
フライト中に青空を見ることができたのはほんの一瞬だけであった。
沖縄本島を過ぎて石垣島に近づき、ようやく雲が切れてきた。

11時45分定刻に南ぬ島石垣空港に着陸。
空港を出るといきなり夏。

上着をキャリーに押し込み、夏の服装へ。
直行バスで石垣港離島ターミナルへ。
満席ではないが、観光客でほぼ埋まっている。
30分で港に到着。

竹富島往復のチケットを購入し、新田荘に14時の船で島に向かう旨電話をする。
そしてターミナルを出て「マルハ食堂」で昼食。
いつもパターンである。
ここでマグロの天ぷらでオリオンビールを飲むと「ああ、来たなぁ」と実感する。

オリオンビールは近所のスーパーでも扱っているが、普段は飲まない。
沖縄の気候で飲むのが一番美味しく感じる。







14時の船で竹富島へ。
15分で島に到着。
驚いたのは、港には安永観光と八重山観光フェリーの石垣便を約100人の観光客が待っていたこと。
今日はGW最終日である。
こんなに観光客が来ていたのか。
港には新田荘の主人が迎えに来てくれた。
「お久しぶりです。今回もお世話になります」
昨年7月以来である。
「今日は観光客多いですね。GWけっこう来ていたのですか?」
「昨年1年は休みみたいなものだったし。GWはだいぶ戻ってきたよ」
宿泊料1泊2食6,300円を支払い、部屋に荷物を置き、まずは西桟橋へ。







天候は曇り。
干潮のため西桟橋からコンドイビーチまで海沿いを歩いて行くことができる。
ビーチにはかなりの人が海を楽しんでいる。
今の時間、ここで遊んでいることは島に宿泊する人達である。
今日で連休も終わりであるが、かなりの人が残っている。































曇り空のビーチは撮りたい気分にならず宿に戻り、縁側でビールを飲んでいた。
雨が降り出してきた。































ぼーっとしていたら夕食の時間になった。
夕食の最中、宿の孫娘が「虹が出た」と食堂に飛び込んで来た。
食事中にもかかわらず、カメラをつかんで外にでた。
雨雲の間から日が差し、鮮やかな虹がでていた。

























撮影して戻り、お母さんに「すみません、ええ歳した大人が、食事中に飛び出して」
と謝ると、「いえいえ、おきなさらずに」と笑って応えてくれた。
夕食後、西桟橋へ。
天気は回復傾向だが雲が多い。
桟橋には数人の観光客がパラパラといるだけ。
あいにく夕陽は雲に隠れて、少し朱く染まっただけであった。
いつも晴れているかではない、こんな日もあるさ。
























陽が落ちたあとの島の雰囲気がとても好きで、街灯でオレンジに染まった道を歩く。













宿に戻り、食堂で泡盛を飲んでいるとお母さんがアイスペールに氷を入れてサービスしてくれた。
いつものように静かな夜である。


雨のち晴れ

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