竹富島の午後


新田荘に13時の船に乗ることを電話する。
約10分で竹富島の桟橋に到着。
新田荘のご主人が迎えに来てくれていた。
「お久しぶりです」と挨拶し車に乗る。
どうやらこの時間は私だけのようだ。

昨年夏、コンドイビーチにリゾートホテルを建てる計画が持ち上がり、ご主人を始め竹富島の住民の方々が「ならぬ」を合い言葉に建築反対運動を行っていた。
「ホテル建設反対運動どうなったのですか?」
「今でも続いているよ。ただ、東京オリンピックに合わせて海外(中国)からの客を集めるのが目的だったので休止しているが終わったわけではない」と返ってきた。
この美しいビーチにホテル建設には断固反対、このまま計画が流れますように。
「今日、石垣島で初の(コロナ)感染者が出たので必要な場所ではマスクをしてください」とのこと。
数分で新田荘に到着。













荷物を部屋に置いて西桟橋とコンドイビーチへ。
梅雨が明けた八重山の空はどこまでも蒼い。
ずっと雨続きの本土からくると、この空はとても眩しい。
西桟橋からは小浜島、西表島を臨むことができる。
この風景が見たいためこの島に来る。



















潮が引いているため海岸沿いをコンドイビーチまで歩く。
約10分でビーチに到着。
この美しいビーチと周辺はこのまま残すべきである。
ここにホテルを建て、景観を壊してしまったら竹富島にとっても大きな損失である。
唯一屋根のある休憩所には、相変わらず何匹もネコが寝ている。
しばらくビーチでネコと遊んだ後、引き返して町の中心部へ。









































強い日差しのなか、観光客もまばらである。
琉球の面影を残す町並みが好きである。
観光客もちらほら見かける。






















































新田荘に戻り、縁側でビールを飲み休憩。
再び西桟橋に行くなどして午後の時間を潰していた。































名古屋から来た同年代の女性2人組と話していると、この宿のお孫さんが保育園から戻ってきた。
赤ちゃんだったのが、可愛いお嬢ちゃんになっている。それに、よくしゃべる。
お嬢ちゃんが保育園からチラシを持って帰ってきた。警察官が保育園に来て、保護者に渡すように配られたらしい。
ご主人に「お爺ちゃん、お酒を飲んで車を運転しちゃダメなんだよ」とチラシを渡した。「わかった。ビールはお酒じゃないから大丈夫。お酒は泡盛という透明なお酒で、これを飲んで運転しちゃだめだ」
回りで聞いていた人達は爆笑。
孫をからかってどうするんだ。













夕食、お膳がいつもより量が多い。エビフライがどんとのっている。
お母さんが「この島では車エビの養殖をしているのですが、コロナで飲食店に出荷できないため協力しているんです」と話してくれた。
出荷できないならそのまま養殖を続けるというわけにはいかない。
大きすぎると商品価値が下がるしコストもかかる、限られた養殖場で次を育てなければならないので場所を空けなければならない。処分するのであれば安くても引き取ってくれるほうが生産者も少しは助かるのである。
私も、この夏、同様の理由で知人から近江牛や野菜など引き取った。

食後、恒例の夕陽を撮りに西桟橋へ。
桟橋にいる人はとても少ない。
いつもなら「星のや」のマイクロバスが夕陽見学の観光客を運んで来るが、今日はそのバスもない。
残念ながら夕陽は最後雲に隠れてしまった。
まぁ、こんな日もある。
今までが運が良かったのである。



















宿には3組の若い夫婦やカップルが泊まっているが、島内の知人宅でBBQということで、残っているのは2人組の女性と私だけである。
食堂に石垣島で買った泡盛を持ち込んで、女性達と話をしていた。
2人ともこの宿の常連で、今回も3泊するとのこと。
お母さんの許可を得て冷蔵庫の氷をもらい飲み始めた。

話はやはり、どのフライトで来たかなど旅の話である。
名古屋もフライト欠航で振り回されたとのこと。
集落の中心部にある「ものみの塔」が手すりなどつけられ修復が終わっているのに階段入り口で鍵がかかっていて上れなかったと話すと、上は修復したが地盤の強度を検査していないので使用できないという本末転倒のような話など。

そこにお母さんが食堂に戻ってきた。
四方山話の後、「リゾートホテル凍結なんですね」と話したところ、「そうなんですよ。ただ、出資は海外企業で話し合いとかまったく出てこないのでどうなっているか、よくわからいのですよ」
「この島、星のやもあるし、これ以上だとキャパオーバーですよね」
「そうですね。それに星のやは会合とかもちゃんと参加し島に協力してくれるんですよ」それで竹富島や小浜島にホテルを建てても批判がでないのだ。
結局、泡盛3合瓶空けてしまった。


ネコと海

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