牛の島へ


宿に14時30分の船に乗ることを電話して乗船した。
乗船客は20人程度である、半数以上が観光客か。
港から外海に出ると波が高い、けっこう揺れる。
約30分で黒島ターミナルに到着。







迎えに来ていた「民宿あーちゃん」の車に向かう。
この車に乗ったのは20代前半の女性1人、30代後半の女性1人、20代後半の女性2人組と私の5人であった。(女性の年齢は推定)
10分もかからず宿に到着。
オープンエアのスペースでチェックイン。
1泊2食で6,000円と自転車使用料500円である。
宿の主人の話だと、豪雨で空港にいけなかった2人がキャンセルとのこと。
20代前半と30代の2人は、ともに4泊。
20代2人組のと私は1泊。
ここに4泊とは、牛と海以外ない、島民250人に対し牛が3,000頭の島である。
なぜ4泊も?と聞くようなヤボなことはしない。
旅のスタイルは人それぞれである。
八重山の離島で何人もこのような旅人に会っているので珍しくはない。
さて部屋に荷物を置いて自転車で島巡り。
前回来た時は海ばかりにいて島巡りはしていない。
自転車に乗るなんて何年ぶりだw














曇天のなか、島中心部の小中学校と展望台に向かう。
この島は平坦で坂道はないが、風を遮るモノがないため、向かい風になるとフラフラする。
1kmほど走り小中学校に到着。
途中見かけたのは軽トラ1台と牛たくさん。
放課後なのか子供達が遊んでいる。
学校の横に展望台がある。
展望台というには小さな建造物である。
らせん階段を上ると島が一望できる。
なるほどこの高さで充分だ。
道が隣の集落に続いている以外は牧草地。
見えるのは牛ばかりである。
私の気配を察知した牛がわらわらと集まってきた。













展望台を降りて、島の中心部の東筋集落に向かう。
ここには郵便局、診療所、商店があるが、相変わらず人は見かけない。
島唯一の商店でビールを買い、集落内で飲もうと場所を探したが、良い場所がない。
そのまま自転車を走らせた。
集落内に「日本の道百選」に選ばれた、琉球の趣を残した道があるが、写真を撮るには少々面倒くさい。
この島の集落の角々に150×45cmの白の立て看板があり、そこには小中学生の希望や標語が書かれ左下に名前が大きく墨文字で書かれている。
島の人が子供を知るにはいいが、写真を撮るには邪魔(苦笑)
走っていると牛を撮影している人を見かけたが、一緒にチェックインした30代後半の女性だった。
結局、一周して宿に戻ってきた。



















自転車を置いて、ビールを持って徒歩3分の仲本海岸へ。
曇り空のした干潮の海を2人の女性がシュノーケリングしている。
ビールを飲みながら2人の動きを目で追っていると、海からあがり石を積み始めた。完成したのか記念撮影をしていた。
ビールを飲み終え、海岸を後にした。



















しばらく後、宿のオープンテーブルでビールを飲みながら本を読んでいると、女性が対面に座り「タバコ吸ってもいいですか?」と尋ねてきた。
テーブルには灰皿も置いてあるので「かまいませんよ。私は気にしませんので」と返事をした。
20代後半の2人組のひとり、彼女は水着の上にパーカーを羽織っていた。
水着に見覚えがあった。
「先ほど、シュノーケリングしてませんでしたか?」
「あれ見られていたのですね。」
「海岸でビールを飲んでいました。そういえば、海岸で石を並べて記念写真を撮っていましたよね?」
「ハートマークの中に日付が並べてあり、今日の日付にしたんです」
なるほど、そういうことだったのか。
「盗撮させてもらいました(笑)」と写真を見せると笑い出した。
気持ちの良い人である。







友人と1週間の予定で八重山を回っているとのこと、昨日は竹富島に泊まり、明日は石垣島へ。
当初は海外予定していたが、コロナ禍で八重山に切り替えたとのこと。
当然「波照間島に行こうと思っているのですが、一番海が綺麗らしいですがどうでしょうか?」と尋ねてきた。
「私は波照間島には行ったことがないので、なんとも言えないのですが。ただ海が荒れると船が欠航することが多いと聞いています。そこを注意されたほうがいいですよ」とだけ答えた。
友人が呼びに来たので「これから牛を見に行きます」と席を離れた。
波照間島か・・・八重山で唯一行っていない島である。石垣島から1時間程度だが、船の欠航で足止めをくらったという話をよく聞くので、行くのを躊躇している。
あまりタイトなスケジュールで行くのはリスクがあるなぁ。







夕方、雲が切れて晴れ間が見えてきた。
今日の夕焼けはダメかなと思っていたが、希望がでてきた。
海岸に向かった。
雲の切れ間から日が差してきた。
日没まで粘ったが、空は朱く染まらず。
でも日没を見ることができただけで良しとしよう。













夕食後、宿の主人が「さすがに今日は星は見えないですね。この後、ヤシガニを見に行きますが行かれるかたは?」と言ったら例の2人組の女性のみが参加した。
宿の外に出ると真っ暗である。













残念ながら星は見えないが、闇を肴にして飲む泡盛はおつなものである。


海を見に行く

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