高雄の夕陽


14時15分の自強号で高雄へ。



台南駅舎も日本統治時代に造られた







荷物を引き取って












台南-高雄間は30分である。
車内で気になったのは、私の斜め前に座っていた若い女性である。
彼女は台南駅を出る前から、周りにも聞こえるぐらいの声で電話をしていた。
それも、高雄に着くまで、ずっと話し続けていた。
台湾でも香港でもそうなのだが電車内で携帯の呼び出し音があちらこちらで鳴り、誰もが普通に電話をしている。
そのうえ、電車の中は騒音が大きいため必然的に大きな声になるので、はっきり言ってうっとおしい。
どうやら台湾や香港(たぶん大陸も)の携帯電話にはマナーモード機能はなさそうである。








X10を確認するとバッテリー残量は3つとも点いている。
LCDを使わない省エネ撮影は効果があったようである。









14時47分、高雄到着。
駅の正面にある新京大飯店にチェックイン。
駅の正面と言っても地下鉄やバス乗り場がある表玄関ではなく、連れ込み宿などがあり裏口という雰囲気である。
そのためか部屋の値段は安めで、広くて綺麗な部屋である。



















高雄での目的は西子湾の夕陽を見ること。
この時期の日没は17時頃。
地下鉄など乗り継いで40~50分かかるだろうから、そろそろ出発したほうが良いだろう。地下鉄の駅は「表玄関」側、そこに行くにはどうしたら良いのかフロントでに尋ねると
クレジットカード大のプラスティック・カードを2枚渡された。
それは新京大飯店専用の「高尾駅入場券」、2枚ということは往復分である。
要は駅中を通っていけということである。
プラスチックなので使い回しをしているのであろう。



駅中を抜けて













高雄駅表玄関
























高雄から西子湾駅まで出て、そこから旗津半島への旗津フェリー乗り場まで徒歩10分。
X10の電源を入れると、バッテリー表示が残り2つとなった。
「やばっ! あと30~40カットか。」
部屋にいた10分間でも充電しておくべきだった、と後悔しても後の祭りである。
その時はバッテリー表示が3つだったこともあり、すっかり油断していた。
フィルムだと1本分。
おのずと撮影は慎重にならざるをえない。
これからフェリーに乗るので被写体も数多くある。

























フェリーは高雄市街側の鼓山輪渡站と対岸の旗津輪渡站を10分で結んでいる。
出港間隔は10分、運賃は15NTドル。
バイクや自転車も運ぶ。
天気がいいので、ほとんどの客はデッキに出ている。
風が気持ち良い。































高雄を代表する東帝士85ビルも望むことができる。































対岸に到着。
海岸まで数百メートル。
道路の両脇には海鮮料理店が開店準備中である。
海岸についたとたん、X10のバッテリー残量は一つとなり赤い表示になった。
「あかん、あと数カットや。」

















































日没まで持たすことできるか、後、1時間。
海岸は公園になっておりサーファーやカップルなど被写体がいっぱい。
撮るのを我慢するというのは辛い。
X10以外のカメラは携帯電話のみ。
SO905iという4年前の機種、カメラ機能は3メガの解像力しかないのでメモにしか使えない。それに携帯の縦長の画角は嫌いだ。
次の旅までにはスマートフォンに買い換える必要があるなぁ。
D300とX10の組み合わせであれば何も問題ないが、X10だけの時はPENTAX I-10かスマートフォンなど最低限のバックアップ機器が必要だ。
そんなこと考えつつベンチに座りビールを飲みながら空を見ていた。
そして、どうしても撮りたくなったらおそるおそる電源を入れてシャッターを切る。
「まだ大丈夫だ・・・」

日没まではしばらくある。とりあえず明日の高鐡の出発時刻を確認するためプリントアウトを取り出した。
時刻を確認すると同時に気がついた。チケットの交換方法の表示欄に高鐡の駅、携帯によるEチケットのほかにコンビニのイラストが書いてある。
チケットはコンビニでも引き換えが可能なのだ。

そこで、すぐ近くにあったファミリーマートに行きプリントアウトを見せると、店員が機械(famiポート)を操作し、私がパスポート番号の下4桁を入力するとチケットが出てきた。手数料は10NTドル。これは便利、おかげで朝早く佐營駅まで行く必要がなくなった。
海岸に戻ると、太陽がかなり傾いている。

「あと1枚は撮れるはずだ」と、自分とX10に言い聞かせつつ電源を入れシャッターを切る。
しかしそれも数カットまで、非情にも2組のカップルと夕陽という組み合わせを撮った後、LCDの真ん中に赤いバッテリーマークが。
ゲームオーバー!
「あ~あ、これまでか」
まだ撮りたい被写体があるのに・・・諦めるしかない。
せっかくなので日没まで海岸にいた。















このカットでおしまい、残念

太陽が水平線に近づくと雲で滲んでしまい鮮やかな日没ではなかったのが、せめてもの救いだった。
これで鮮やかな夕焼けだったら、諦め切れなかったであろう。
(なんなのだ、この屈折した感情は。)



夜市にて

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