雨の朝~旅の終わり


今日のシンガポール行きのフライトは12時50分。
最後に行くのは国立博物館である。
ホテルから東に一本道で約15分のところにある。







通学の子供達の姿を撮りながら歩いていると急に空が暗くなり雨が降り出しした。

それも本格的な降りとなり、すでに足下は川になっている。

どうも水はけが悪そうだ、土砂降りの中、歩いている私を見てトゥクトゥクやバイクタクシーが「乗れ」と声をかけてくるが、乗る方が濡れてしまいそうだ。







国立博物館の手前は国立芸術大学で、大学前の通には仏像などを作成する工房が軒を連ねている。
なかなか興味を引く光景なのだが傘をさしているため写真を撮るのもままならない。







やっと国立博物館に到着。
博物館の中は写真撮影は禁止だが、中庭はOKである。
アンコールワットを造ったジャヤバルマン7世像やクメール彫刻など期待していなかった分、逆にコレクションの多さに驚く。





























































雨も上がったようだ、ホテルに戻る途中で仮設のテントが立てられ、多くの調理人が準備を始めている。

















































どうやらこれから結婚式のようである。
きっと賑やかな式典になるのだろう。







チェックアウトして、トゥクトゥクで空港へ。
11時20分、空港着。
さほど待つことも無くチェックイン。
ホール前のレストランで軽く昼食。

2階の出国カウンターに向かうべく階段を上がると、正面のカウンターで欧米人の年配のカップルが空港職員に大きな声で怒鳴っている。
「何やっているんだ?」と思い、隣をすり抜けてイミグレーション・カウンターで出国審査を受けてロビーに到着。
搭乗時刻までは30分ほどある。

私はiPodを取り出して音楽を聴きながら本を読み始めた。
本に夢中になっていると、耳からシンセの音が流れてきた。
マイク・オールドフィールドの映画「キリング・フィールド」のメインテーマである。
突然のことに私はうろたえてしまった。
カンボディア出国間際に流れるなんて出来過ぎである。
そして、次の曲はジョン・レノンのイマジン。
これは映画のエンディングで使われていた曲である。
映画の終わりに合わせて、私のカンボディアの旅も終わりである。

そろそろ搭乗時刻だなと思いイヤフォーンを外し、チケットを出して気がついた。
「空港使用税(25$)払っていない。」
まわりの人の搭乗券を見ると「payed」とスタンプが押してある。
これが支払い証明なのだろう。
もちろん私の搭乗券はキレイなものである。
どうやら欧米人が言い争っていたカウンターが空港使用料を払うカウンターだったのだろう、私は争いを避けるため横を通り過ぎたから結果として払わず出国したことになる。

搭乗案内が流れゲートに向かった、地上係員が一枚ずつ確認しながら半券をちぎっていく。
「未払いのこと言われるかな?」と思い、言われたら払うつもりであった。
というか、もともと支払うために25$ちょうど用意していたのである。
結局、何も言われず機内へ、ラッキーとしておこう。

2時間弱のフライトで、15時40分シンガポールに到着。
羽田便のフライト時刻は21時45分、約6時間のトランジット。
入国し空港で荷物を預け地下鉄でシンガポール市内へ。
リトル・インディアのホーカーズで晩ゴハン。
と言っても食べたのがフッケン・フライド・ミーとチキンライス、そしてアンカービールなので、リトル・インディアである必要は無かったのだが。













カヤ・ジャムなどの買い物をして空港へ戻る。














最後は空港のバーでタイガーを1杯。
カンボディア滞在、5日間という短い旅だったが、とても内容の濃い旅であった。
満足である。
そろそろ搭乗アナウンスの流れる時刻である。

いつものおまじないを呟いて搭乗することにしよう、「そうさ、また来るさ。」


                                      2011年4月29日~5月5日


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